構造主義語学
1929年代後半からアメリカで発展した言語学的枠組み(ブルーム・フィールド)
言語の実態を記述することを目的とした文字を持たないアメリカの原住民の言語を分析して辞書と文法書を作るために、音声を聞き取り、音声文字(後に音声記号に発展)に書き表した
特徴
客観的データのみに基づいて、主観的な判断を全く入れない方法論の確立を目指した。言語は音声が主体であり、文法は文型として記述できると考えた
日本語教育との関り
「オーディオ・リンガルメソッド」の言語観に影響を与えた
オーディオリンガル・メソッドが影響を受けた言語観
文型練習(パターンプラクティス)の重視
言語は「科学的に分析・記述」「構造体」「文型」がある
文字より音声を優先させ、口頭練習を多用 「ミニマル・ペア(最小対)」により、tとdやrとlの対立などを意識させる
言語は「その母語話者が話すもの」「音声」「対立」
反復模倣練習(ミム・メム練習)の徹底
言語習得は「習慣形成の過程」である
文型は
「オーディオリンガル・メソッド」に基づく教室活動で重視され、文型シラバスのよりどころとなっている
文型に具体化される統語構造は、言語の運用に関わる複数の言語知識の一部でしかない
文型シラバス(構造シラバス)とは
文型を「易」から「難」に積み上げていくもの
構造的に類似性の高い文型をまとめて提示する
~してもいいですか? はい、~してもいいです いいえ、~してはいけません
文型に偏らないバランスのとれた教室活動が望ましい
文型に具体化される統語構造は、言語の運用の一部でしかない
言語運用には、言語知識だけでなく、社会言語的な能力、様々なストラテジー能力など、多くの知識や能力が関わっている
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