日本語教師の学習101/評価

評価の種類

評価の目的

選別評価

候補者を選出するために行われる評価

・入学試験 ・プレースメント・テスト(クラス分けテスト)

測定評価

教育の各段階において、目標にどの程度到達できているかを測るために行われる評価

・中間テスト・期末テスト・アチーブメント・テスト(到達度テスト)

認定評価

受験者の能力が一定の水準に達しているかどうかを測定し、達していればその能力に対して「○級」などの認定を与えるという評価

・能力テスト・認定テスト・プロフィシエンシー・テスト(熟達度テスト)・日本語能力試験・英検

評価の時期

診断的評価

学期やコースの開始時に、その時点での学習者の状況、得意な点、弱点を把握するために行う評価

・プレースメント・テスト・事前的評

形成的評価

コース開始後、教育活動を適切で有効なものにするために随時行う評価

個々の学習者のその時点における達成度や問題点を明らかにし、学習者への学習の動機づけをし、指導方法の見直しのための指針を得ることを目的とする

・小テスト

総括的評価

コース、学期、単元などの終了時に行われる評価

学習したことが身についているかどうかの認定、学習者へのフィードバック、成績評定などのために行われる。また、これらの情報をもとに次期に向けたコース改良を行う。

・期末テスト・修了試験

外在的評価

教育活動の当事者ではない外部の団体や機関が独自に決定した時期に試験を行うもの

・6月と 11 月実施の日本留学試験・7月と 12 月実施の日本語能力試験

評価の基準

相対的評価

集団の中での相対的な位置づけによって行う評価方法

長所

評価者の主観が入りにくい・同じ集団の中であれば他の教科との比較が可能などの長所を持つ

短所

学習目標をどの程度達成しているかについては直接的には表せない・集団の規模が極端に小さい場合、適切な評価が難しくなる

絶対的評価

到達目標をどの程度達成したかによって行う評価方法

長所

・全員が同じ評価になる可能がある・学習目標をどの程度達成しているかを直接表すことができる

短所

・到達度の基準設定が難しい・評価者の経験に基づく主観的な評価になる場合がある

個人内評価

学習者個人の長所や弱点、進歩の様子を見る評価方法

横断的個人内評価

どの科目が得意でどの科目が苦手かを見る

縦断的個人内評価

現在の成績と過去の成績を比較して進歩の様子を見る

評価の方法

観察記録法

学習者の教室内外の学習態度や発言、私語の有無、宿題の提出、出席状況など、ペーパー
テストでは測定できないものを観察し、記録をつけていく方法

レポート法

レポートや作文などの課題を与え、それによって評価する方法

短所

評価が採点者の主観に左右されないようにするなどの配慮が必要

アンケート調査法(質問法)

学習者が教師、教材、教え方などについてどのような評価を下しているかをアンケートにより回答させる方法

学習者の教師や教育機関などに対する評価を得るもの

面接法

テストやレポートなどの記述式解答には現れなかった学習者の口頭表現力や伝達能力を知る
のに向いている

コース開始前のプレースメント・テストなどで学習者の口頭表現能力をみる場合や、
留学生対象の入学試験ではほぼ必ず実施される

自己評価

現在何ができて、何ができないか、学習者自身による評価をチェックリストに記入する方法

ポートフォリオ

学習に関する様々な情報を入れておくファイルのことで、学習者の学習状況を把握するため
に、学習経過の記録や成果物を学習者自身が保存しておくもの

長期間にわたる「変化」を評価するという特徴を持つ

テスト法

テストを実施し、その結果によって評価する方法

Can-do による評価

例示的能力記述文/Can-do Statements

ある言語でどのような課題を遂行できるかを「~できる」という形で示した文

「ヨーロッパ言語共通参照枠組み:学習、教育、評価」/CEFR

ヨーロッパ各国における外国語学習、評価などに使われる共通の基準

日本語試験における例

日本語能力試験(JLPT)
日本留学試験(EJU)

テストの種類

時期・目的による分類

プレースメント・テスト

既習学習者を対象に、学習者の言語能力を測定し、最もふさわしいクラスに配置するための
テスト

アチーブメント・テスト(到達度テスト)

ある一定期間学習したことがどれだけ習得できているかを測定するテスト

プロフィシエンシー・テスト(熟達度テスト)

それまでの学習環境、学習方法、教材などと無関係に、学習者がその時点で持っている能力を測定するテスト

・OPI ・日本語能力試験・日本留学試験

アプティチュード・テスト(言語適性テスト)

外国語の学習が早く進むための前提となり得る能力(適性)を測定するテスト

認定テスト

公的機関が実施している受験者の能力が一定の水準に達しているかどうかを測定し、達して
いればその能力に対して「◯級」などの認定を与えるテスト

・日本語能力試験・英検

大規模テスト

・日本語能力試験 ・日本留学試験・BJT ビジネス日本語能力テスト

出題範囲が特定の学習者や学習内容に直接関係しない

利害関係が比較的大きい

相対/絶対評価による分類

集団基準準拠テスト(NRT)

受験者の成績を他の受験者、または過去にそのテストを受けた受験者と比較して、相対的に
位置づけるテスト

目標基準準拠テスト(CRT)

テストの前に目標(習得すべき項目、レベル)を設定し、それに照らして評価を行うテスト

主観性/客観性による分類

主観テスト

学習者に自由に表現させ、総合的な運用能力をみるのに適したテスト形式

総合的測定法

全体的なまとまりや論旨の流れ、仕上がりの良さを相対的に評価する方法

分析的測定法

要素別に評価したものの総計で判断する方法

客観テスト

明確な正解があり、採点する際に採点者の主観が入らないテストの形式

再認形式

学習者の認知力・理解力をみるための出題形式

選択肢などの中に学習した内容や記憶したことと合うものを選び出すもの

再生形式

学習者の言語能力をみるための出題形式

学習者自身が学習したことや記憶したことを思い出しながら解答を書き込むもの

評価の留意点

信頼性

測定内容の一貫性の度合い

評定者間信頼性

学習者のある言語能力を測る際、複数の評定者(採点者)の評価がどの程度一致するかの
度合い

評定者内信頼性

学習者集団のある言語能力を、複数回のテストによって測定する際、ある評定者(採点者)の評価が1回目と2回目でどの程度一致するかの度合い

妥当性

テストの得点から、受験者の能力を適切に推測できるかの目安

構成概念妥当性

言語能力は「聴解力」「読解力」「文法能力」など様々な次元が存在し、それらはさらに多くの次元から成り立ち、どのくらいこの特性を測定しているかを検討するもの

基準関連妥当性

テストが測定しようとしている特性について「外在基準」が存在する場合、それとテストの得点との相関によって評価する

内容的妥当性

テストの問題項目が学習者が習得すべき知識やスキルを適切に反映しているかについての
妥当性

真正性・オーセンティ シティ

外国語教育で使われる様々な教室活動、テストなどが実際 の言語の運用状況をどの程度まで反映できているのかという観点

有用性

そのテストが実施しやすいかどうか

・効率性、コスト・パフォーマンス

客観性

採点者の主観が評価に入らないか

波及効果・バックウォッシュ効果

テストを意識しながら教えたり学んだりすることで、教授活動の後に行われるテストが、
授業全体に影響を及ぼすこと

 

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