精神症状を伴う身体疾患とその精神症状

精神症状を伴う身体疾患

主に、腎不全 肝炎 脳卒中 パーキソン病 認知症 糖尿病 クッシング症候群 更年期障害 甲状腺機能低下症 癌 梅毒 があります。

腎不全

腎臓の糸球体組織の50%以下まで低下した状態を腎不全とよび、10%未満まで進行すると透析治療が必要な末期肝不全となります。

腎不全とは、血液をろ過して老廃物を取り除く腎臓の機能が十分に働かなくなった状態のことです。

腎不全の原因としては、様々なものが考えられます。腎機能が急激に低下する場合(急性腎障害、急性腎不全とも呼ばれます)もあれば、ゆっくりと低下していく場合(慢性腎臓病、慢性腎不全とも呼ばれます)もあります。腎不全になると、腎臓は血液をろ過して老廃物(クレアチニンや尿素窒素など)を除去することができなくなるだけでなく、体内の水分の量とその配分(水分バランス)を調節する能力や血液中の電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン)やの濃度を調節する能力も低下します。

腎不全がしばらく持続すると、しばしば血圧が上昇します。さらに、新しい赤血球の生産を促すホルモン( エリスロポエチン)が腎臓から十分に分泌されなくなり、その結果として赤血球数が減少します(貧血)。また腎臓では、骨の健康に欠かせない カルシトリオール(活性型 ビタミンD)を十分に作り出すこともできなくなります。小児の腎不全では、骨の発育にも影響が及びます。また小児であれ成人であれ、腎不全により骨が弱くなることがあります。

腎機能はあらゆる年齢で低下する可能性がありますが、急性腎障害と慢性腎臓病のどちらも若年者と比べて高齢者でより多くみられます。腎機能に低下をもたらす病気の多くは治療可能なものであり、腎機能が回復する場合もあります。透析腎移植が可能になったことで、かつて死を免れない病気だった腎不全は、今では管理可能な病気になっています。

引用元:MSDマニュアル

精神症状

人工透析を行うと、3割~4割以上の患者にうつ状態が現れやすい。

肝炎

慢性肝炎は、肝臓の炎症が最低6カ月以上持続する病気です。

・一般的な原因としては、B型およびC型肝炎ウイルス、特定の薬などがあります。

・多くの場合は無症状ですが、全身のだるさ、食欲不振、疲労などの漠然とした症状がみられることもあります。

・慢性肝炎の結果、門脈圧亢進症と肝不全を伴う肝硬変が生じることがあります。

・診断を確定するために生検が行われます。

・抗ウイルス薬やコルチコステロイドなどの薬を用いたり、進行した症例には肝移植が必要になったりすることがあります。

慢性肝炎は、急性肝炎と比べてはるかに少ない病気ですが、数年間、ときには数十年間も続くことがあります。多くの場合かなり軽症で、重大な肝傷害は引き起こしません。しかし、一部の患者では、持続的な炎症によって少しずつ肝臓が損傷していき、最終的には肝硬変(肝臓の重度の瘢痕化)や肝不全に至り、ときに肝臓がんが発生することがあります。

引用元:MSDマニュアル

精神症状

末期になると、妄想や錯乱などを催すこともあります。また、インターフェロンという治療薬の副作用によっても精神症状が現れることがあります。

脳卒中

脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)とは

<脳梗塞、脳出血>
脳梗塞、脳出血は突然発症します。脳梗塞の場合、まれに前兆・前触れとして症状が現れることがあり、「一過性脳虚血発作」といいます。一時的に血栓(血の塊)が脳の血管に詰まることで起こり、症状の多くは数分、長くても1日ぐらいで消えます。

<クモ膜下出血>
脳はクモ膜という膜に覆われており、クモ膜の下(脳の表面)には多くの血管が走行しています。これらの血管から出血して、クモ膜の下に出血が広がり脳を障害する状態が「くも膜下出血」です。クモ膜下出血の多くは、血管に生じた脳動脈瘤の破裂が原因です。死亡したり、重い後遺症を残したりする怖い病気です。突然死の原因にもなります。

引用元:http://www.ims.gr.jp/gscenter/search/nousotsu.html

精神症状

うつ状態が現れやすい。これを脳卒中後うつ病といい、約2割~8割の脳卒中患者に現れます。

パーキソン病

ドーパミンの不足が原因であると考えられています。

パーキンソン病は、中枢神経系(脳と脊髄)の特定の領域がゆっくりと進行性に変性していく病気です。特徴として、筋肉が安静な状態にあるときに起こるふるえ(安静時振戦)、筋肉の緊張度の高まり(こわばり、筋強剛)、随意運動が遅くなる、バランス維持の困難(姿勢不安定)などがみられます。多くの患者では、思考が障害され、認知症が発生します。

・パーキンソン病は、動きを協調させている脳領域の変性によって起こります。

・たいてい、最も顕著な症状は、筋肉が弛緩しているときに起こる振戦です。

・筋肉がこわばり、動作が遅くなって協調運動が難しくなり、バランスを崩しやすくなります。

・診断は症状に基づいて下されます。

・一般的な対策(日課を簡素化するなど)、薬剤(レボドパとカルビドパの併用など)のほか、ときに手術も役立つことがありますが、病気は進行性であり、最終的には重度の身体障害をきたし、体を動かせなくなります。

引用元:MSDマニュアル

精神状態

軽度抑うつ的、心気症的、内向性。進行とともに無力状態、無欲状態がみられます。

認知症

精神症状

せん妄 妄想 抑うつ気分 徘徊 などがあります。

糖尿病

日本の糖尿病の大部分は2型糖尿病とされており、ライフスタイル病ともよばれています。

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。

血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります(糖尿病の急性合併症)。
ここでは糖尿病についての基本的なお話をします。

引用元:糖尿病情報センターオフィシャルサイト

精神症状

神経障害は、疼痛を伴うこともあり、疼痛性ニューロパチーの多くはうつ状態を現します。

クッシング症候群

クッシング症候群は、コルチコステロイドが過剰な状態で、通常は副腎のホルモン分泌過剰によるものです。

・通常、クッシング症候群の原因は、副腎でのコルチコステロイドの過剰産生を引き起こす下垂体や副腎の腫瘍です。

・クッシング症候群はまた、その他の部位(肺など)に腫瘍がある場合や、他の病気の治療のためにコルチコステロイドの投与を受けている人に起こることもあります。

・クッシング症候群の人は、体幹の周りに過剰な脂肪がつき、顔が丸く膨らみ皮膚が薄くなります。

・医師は コルチゾールの濃度を測定することで、クッシング症候群を検出します。

・腫瘍の除去には、しばしば手術や放射線療法が必要になります。

引用元:MSDマニュアル

精神症状

抑うつ状態で意欲の低下が顕著にみうけれられます。

更年期障害

更年期障害(こうねんきしょうがい)

40歳代以降の男女の性ホルモン分泌量の低下が原因となる自律神経失調症に似た症候群。

男女ともに40歳を過ぎた頃から見られる、様々な体調の不良や情緒不安定などの症状をまとめて更年期障害と呼びます。

女性の場合は、閉経期前後の約10年間に卵巣ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少することによって症状が現れます。男性の場合は、30歳以降睾丸ホルモンであるテストステロンの分泌が減少し始め40歳代後半で症状が現れることがありますが、女性の場合と較べ分泌量の変化が緩やかなため老化現象の一部と認識されて気付かれないことが多いと見られます。

症状としては自律神経失調症と同様の症状が現れます。
女性の閉経前における身体的症状としては、のぼせや顔の火照り、脈が速くなる、動悸や息切れ、異常な発汗、血圧が上下する、耳鳴り、頭痛やめまいなどです。精神的な症状としては、興奮亢進、イライラや不安感、うつ、不眠などです。
閉経後はこれらに加えて、膀胱炎や尿失禁、腰や膝の関節痛、目やのどなどの粘膜の異常などの身体的症状と無気力感などが精神的症状として現れてきます。
男性は機能不全(ED)、女性は生理不順も症状としてみられます。

治療には、ホルモン剤などの薬物治療や漢方療法、予防的な意味合いの食事療法などがあります。
初期症状が、だるい、寝付けないなどの曖昧なものであるため、発症に気付かずに、身体が意のままにならない自分への不満がストレスとなって精神的症状を悪化させるケースが多いです。まずは更年期になる前に症状についての正しい知識と対処方法を事前準備しておくことが大切です。

引用元:厚生労働省 e-ヘルスネット

精神症状

不眠・不安・イライラなどの症状が現れます。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺の働きが低下し、甲状腺ホルモンの分泌が不十分になる病気で、身体の重要な機能が働く速度が低下します。

・顔の表情が乏しく、声がかすれ、話し方はゆっくりになり、まぶたは垂れて、眼と顔が腫れます。

・通常は1回の血液検査で診断が確定されます。

・甲状腺機能低下症の人は、生涯にわたって甲状腺ホルモンの投与を受ける必要があります。

引用元:MSDマニュアル

精神状態

疲れやすく、疲労感がとれない。

がんは、細胞が異常に増殖する病気です(通常は1つの異常な細胞から発生します)。がん細胞は正常な制御メカニズムを失っているため、増殖を続けたり、周辺の組織に侵入したり、体の離れた部位に移動したり、がん細胞が栄養を獲得できるように新しい血管の成長を促したりすることができます。悪性(がん)細胞は全身のあらゆる組織から発生する可能性があります。

がん細胞が成長し増殖するにつれて、腫瘍と呼ばれるがん組織のかたまりとなり、周囲の正常な組織に侵入し、破壊します。「腫瘍」は異常な増殖物や組織のかたまりを意味する医学用語です。腫瘍には悪性のものと良性のものがあります。がん細胞は、最初に発生した部位(原発部位)から全身に広がることがあります(転移)。

引用元:MSDマニュアル

精神状態

抑うつ、不機嫌、希死念慮などの諸症状がみられます。

梅毒

トレポネマ-パリズムもよる中枢神経の梅毒疾患を総称して神経梅毒といいます。

精神症状

症状は、中心症状と辺縁症状からなり、中心症状は認知症です。辺縁症状はこれに付随する症状で、その違いによりいくつかの臨床類型にわけられます。

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