神経性やせ症の特徴と判断基準

神経性やせ症

神経性やせ症の特徴

原因

遺伝的要因が示唆される。また、対人関係上のストレスに起因するケースも多く認められる。

発症時期

主に13歳~20代前半に多い。

有効とされる主な療法

認知行動療法・行動療法・薬物療法

神経性やせ症の判断基準

基準A

日常的な活動に必要な栄養素の摂取を制限し、年齢・性別・成長・身体的健康状態など体重に関連する様々な要素を考慮した上での適正体重を大きく下回る。

基準B

適正体重を大きく下回るにも関わらず、体重増加または肥満になることに対する強い恐怖があり、体重増加を防ぐ積極的な行動を継続する。

基準C

自身の体重・体型に対する認識が著しく歪んでおり、体重・体型の自己認識が自己評価全体に不適切な影響を与えている。また、適正体重を大きく下回る現在の自身の身体の問題に対する認識が欠如している。

神経性やせ症の重症度

BMI=体重(kg)÷身長(m)²

体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値がBMI

軽度

BMI≧17

中等度

BMI=16~16.99

重度

BMI=15~15.99

最重度

BMI>15

神経性やせ症は、やせていることへの執拗なまでのこだわり、自分の体に対するイメージ(身体像)の歪み、肥満に対する極端なまでの恐怖、ならびに食事量の制限による著しい低体重を特徴とする摂食障害です。

・通常は青年期に発症し、女性に多くみられます。

・体重が減り続けているにもかかわらず食事を制限する一方、頭の中は食べもののことにとらわれ、問題を抱えていることを否定する場合があります。

・体重が大幅または急激に減少した場合には、生命を脅かす結果を招く場合があります。

・診断は症状に基づいて下され、身体診察と検査を行って、過度の体重減少による悪影響を調べます。

・正常な体重と正常な摂食行動を取り戻すことに重点を置く治療(個人療法や家族療法といった精神療法など)が役立ちます。

神経性やせ症は、青年期または成人期早期に発症するのが通常で、思春期前や40歳以降に発症することはまれです。1年間で調べてみると、若い女性の最大200人に1人の頻度で神経性やせ症が認められます。神経性やせ症は男性では女性ほどみられません。ただし、軽症例は気づかれないこともあります。

食べものが実際に不足している地域では、神経性やせ症はめったにみられません。

神経性やせ症には以下の2種類があります。

・摂食制限型:食べる量を制限するが、定期的に過食や排出行動(例えば、意図的に嘔吐する[自己誘発性嘔吐と呼ばれる]、下剤を服用する)を行うことはない。過度に運動をする患者もいる。

・過食・排出型:食事を制限するが、定期的な過食や排出行動もみられる。

引用元:MSDマニュアル

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