境界性パーソナリティ障害の特徴と判断基準

境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の主な特徴

原因

未解明

発症時期

主に13~24歳ころまでに確認される

有効とされる主な療法

認知行動療法・精神分析療法

境界性パーソナリティ障害の主な判断基準

対人関係、自己意識、感情などが激しく不安定で衝動性が強く、以下のうち5つ以上の特徴によって示される。

(1)他者から見捨てられることを避けようと、なりふり構わない行動をとる。

(2)他者に対して理想化とこき下ろしを繰り返すという、両端かつ非常に不安定で激しい対人関係が認められる。

(3)同一性の混乱が認められ、自己意識や自己像、自己意識が著しく不安定な状態が持続している。

(4)浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、過食などの自分自身を傷つける可能性のある衝動的な行動が認められる。

(5)自殺の素振り、自殺するという周囲の他者への脅し、自傷行為、自殺行動を繰り返す。

(6)著しい感情の不安定性。

(7)慢性的な空虚感。

(8)不適切で激しい怒り、怒り制御の困難。

(9)一過性のストレスの影響で妄想様観念や強い解離症状。

境界性パーソナリティ障害は、人間関係、自己像、気分、行動の不安定性、そして拒絶されたり、見捨てられたりする可能性に対する過敏性を特徴とします。

・境界性パーソナリティ障害の患者は拒絶されたり見捨てられたりすることを恐れますが、その理由の1つは孤独になりたくないからです。

・境界性パーソナリティ障害の診断は、人間関係、自己像、気分の頻繁な変化、また自己破壊的で衝動的な行動などの具体的症状に基づいて下されます。

・精神療法が、自殺行動を減らし、抑うつを和らげ、この病気の人が日常生活をより適切に営むのに役立つ場合がありますが、症状の緩和のために薬が必要になることもあります。

パーソナリティ障害(人格障害とも呼ばれます)とは、本人に重大な苦痛をもたらすか、日常生活に支障をきたしている思考、知覚、反応、対人関係のパターンが長期的かつ全般的にみられる人に対して用いられる用語です。

境界性パーソナリティ障害の患者は一人でいることに耐えられず、一人でいることに対処したり、一人になることを避けたりするために自己破壊的行為に訴えることがあります。見捨てられることを避けるために、危機を生み出すなどの死に物狂いの努力を払うことがあります。例えば、自分の苦痛を伝え、他者が救助または世話をしてくれるよう仕向ける形で自殺のそぶりをみせることがあります。

境界性パーソナリティ障害は米国の一般の人の最大約6%にみられます。男性よりも女性の方が多く診断されます。大半の患者で、時間の経過とともに症状が緩和する傾向があります。

引用元:MSDマニュアル

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