限局性恐怖症の特徴と診断基準

限局性恐怖症

限局性恐怖症の特徴

原因

未解明だが、嫌悪条件付けによる場合がある

発症時期

10歳以前に発症し、その後も継続することが多い

有効とされる主な療法

認知行動療法・薬物療法

限局性恐怖症の特徴と診断基準

基準A

特定の対象または状況への著しい恐怖と不安。

基準B

特定の対象や状況により、ほぼ確実に瞬間的に恐怖や不安が起きる。

基準C

特定の対象や状況をクライアントは積極的に回避しようとするか、または強い恐怖と不安を感じながら耐えている。

基準D

クライアントが感じている特定の対象や状況への恐怖や不安は現実的な危険や社会文化的背景に釣り合わない。

基準E

これらの恐怖や不安の感情や回避的な行動が6ヶ月以上続いている。

基準F

各種症状により、苦痛を感じたり、日常生活・社会的活動に支障をきたしている。

基準G

各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できない。

限局性恐怖症とは、特定の状況、環境、または対象に対して、非現実的で激しい不安や恐怖感が持続する状態です。

・恐怖症によって不安が引き起こされ、特定の活動や状況を避けるようになるため、日常生活に支障をきたすことがあります。

・通常は症状から明らかに診断がつきます。

・治療は通常、曝露療法を行います。

限局性恐怖症はよくみられる不安症で、12カ月の期間で調べると、成人の約8%で認められます。最も多くみられる限局性恐怖症としては、動物に対する恐怖(動物恐怖症)、高い所に対する恐怖(高所恐怖症)、雷雨に対する恐怖(雷恐怖症または雷鳴恐怖症)などがあります。少なくとも5%の人が、血液、注射、けがに対して少なくとも若干の恐怖を抱いています。限局性恐怖症がある人ではしばしば2つ以上の恐怖症が認められます。限局性恐怖症がある人は、不安や恐怖感を引き起こしそうな特定の状況や対象を避けるか、多大な苦痛を感じながらその状態に耐え、ときにパニック発作を起こすことがあります。しかし、そうした不安が過剰であるという自覚があり、自分に何らかの問題があることは気づいています。

限局性恐怖症の中には、ほとんど不都合が生じないものもあります。例えば、都市部に住む人の場合、ヘビ恐怖症があったとしてもヘビを避けるのは容易なことです。一方で、日常生活に大きな支障をきたす限局性恐怖症もあります。例えば、都市部に住む人がエレベーターに恐怖を覚える場合には、頻繁にエレベーターに遭遇するため、日常的に難しい選択に迫られることになります。つまり、重要な仕事の状況を避けるか、多くの階段を登るか、強い居心地の悪さを感じながらエレベーターに乗るかという選択です。

引用元:MSDマニュアル

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