日本語教師の学習/外国語教授法

外国語教授法

サイレント・ウェイ

提唱者:ガッテーニョ(心理学者)

理論的基盤

認知心理学 学習するのは学習者自身であり、教師はそれを助ける役目しか持たない

学習観

学習者中心 学習者自らが気づき学んでいく 自分で規則を発見する

指導方法

教師は沈黙する(沈黙指導法) 学習者は教師が示した部分を発話する

教材・教具

特殊な道具使用 サンドカラー チャート ロッド ポインターなど

長所

間違ってはいけないという心理的圧迫がない

学習者同士の助け合いが学習動機を高める

教師の沈黙により集中力が高まる

短所

教具の扱いが難しい

効率性を求める学習者には不向き

少人数必須

CLL/CL(コミュニティー・ランゲージラーニング/カウンセリング・ラーニング)

チャールズ・カレン

理論

心理方法の理論と技術を応用

教師:カウンセラー

学習者:クライアント

学習者の不安を取り除く

目的・目標

外国語学習→人間成長 コミュニティの成長

教室の様子

学習者が話したいことを自由に話す。

教師は適宜目標言語での表現などを伝え助ける。

音声を録音し、振り返りに使用する。

典型的な後行シラバス

長所

学習者の希望に合わせて進められる

言いたいことをすぐに学べる

自由なコミュニケーションが楽しめる

短所

教師は2か国語に精通し、通訳でなければならない

教師はカウンセリングの技法をしたなければならない

教師はその場の項目を選択し説明しなければならない

TPR(トータル・フィジカル・レスポンス)

ジェームズ・アッシャー

全身を反応する

理論

幼児は話し始める前に大量の目標言語を聞いている。目標言語で示されたことを動作で表し評価されることによって言語と動作を結び付ける。

典型的な授業の様子

教師が指示・命令を口頭で伝える 学習者は指示通りに体を動かす。

長所

聴解能力が伸びる

体を使って覚えるので記憶に残りやすい

発話を強制しないので心理的負担が軽い

他の教授法と併用しやすい

短所

教師の指示通りに動くことに抵抗感をもつ学習者がいる

扱う文型に偏りがある

抽象的な文は使えない

実用的ではない

サジェストペディア

提唱者:ロザノフ(精神科医)

目的・目標

学習者の潜在能力の開発

理論

暗示額の倫理を外国語学習に応用 心理的障壁を取り除き、潜在能力を引き出す

部屋の様子

リラックスできる環境の整備

方法

イントロダクション コンサート エラボーション

本文説明ののち、教師が朗読 (音楽を効果的に使用)

焦点としている文型や語の練習(リラックスするため、学習者は別人に扮する)

教師は学習者に暗示を与える

長所

学習者はリラックスして学習できる

暗示により精神集中が高まり、効果が上がる

発話意欲が高くなる

学習者は自分の能力に自信を持つ事が出来る

コミュニケーション能力があがる

潜在的な美的感覚が刺激され、感性が豊かになる

短所

環境を整えるのにお金がかかる

なめらかさを要求するため、正確さに欠ける

教師養成が難しい

コミュニカティブ・アプローチ

コミュニケーション重視しようとした考え方

目標・目的

コミュのケーション能力の獲得 意思疎通が出来るようになる

正確な文を作れるだけでなく、場面や状況に応じた言語使用が必要 Byハイムズ

伝達能力

文法能力 社会言語学的能力 ストラテジー能力 談話能力

理論的基盤

ハリデー:言語機能理論

言語観

言語は機能である

モロウによる指導法5原則

1 教室活動では学習者も教師も自分がしていることを自覚しなければならない。

2 言語の部分だけではなく全体にも目を向けて学ばなければならない。

3 伝達過程も言語形式と同様に重要である。

4 言語学習には経験が大切である。

5 学習者の誤りは必ずしも誤りではない。

指導及び練習方法

学習者のニーズに応じた項目選定

生教材を使用

タスクやロールプレイ・プロジェクトワークなどを行う

指導する際の注意点

実際に近い場面を採用 学習者の発想を生かす

インフォメーションギャップ

話し手と聴き手の間に存在する情報差。実際のコミュニケーションでは、両者の間に何らかの情報差異があり、それを埋める為に会話し情報を共有する。

チョイス

実際のコミュニケーションにおいて参加者が持っている選択肢の自由のこと。選択権。

ロールプレイ

会話の目的、状況、役割等を設定し、与えられた役割に応じて会話を進める練習。

長所

ニーズに沿って学べる 習ったことを応用しやすい

短所

体系的に学べない 正確さに欠ける

ナチュラル・アプローチ

提唱者:テレル クラッシェンの第二言語習得理論仮説を応用

クラッシェンの第二言語習得理論

1.習得ー学習仮設

習得と学習は別物

2.自然習得順序仮説

自然な順序

3.モニター仮設

理論に捉えて学習をする

4.インプット仮説

i+1

5.情意フィルター仮説

目的・目標

コミュニケーション能力の向上

学習観

習得と学習とは違う 習得のほうが上に位置付けられている

特徴

聴解優先 学習者をリラックスさせる 容易に回答できる簡単な応用練習

長所

・学習者に大量の理解可能なインプット(i+1)を提供できる。
・過度の緊張がない。
・多くの学習者に対して使用できる。
・部分的に使用することが可能。

短所

・教師はティーチャー・トークを使いこなす必要がある。
・教師は学習者一人ひとりの力を把握する必要がある。
・教師の発話量が多くなりがちで、チャレンジするような発話が期待できない。

ティーチャートーク(タスク中心の授業法 TBLT)

語学教師が学習者に対してする話し方。学習者のレバル、既習の文型、表現、語彙を把握した上で理解可能な範囲で授業を行う。
注意:自然な日本語に慣れない可能性がある。

タスク中心の授業法(TBLT)

理論的基盤

ロング:言語形式の焦点化 フォーカス・オン・フォーム(F on F)

コミュニカティブ・アプローチ(意味重視・フォーカス・オン・ミーニングF on M)から始まり、
オーディオ・リンガル・メソッド(形式重視・フォーカス・オン・フォームズ F on Fs)で押さえをする。

言語観

言語は機能

目的・目標

課題遂行 課題を遂行する際の意味交渉自体を重視する。

教室活動

タスク:タスクシート使用

長所

流暢さと正確さ両面を扱う

短所

体系的に学習しにくい

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