広場恐怖症の特徴と判断基準

広場恐怖症

広場恐怖症の主な特徴

原因

未解明だが不安感情に対する過敏性などの気質要因が関連

発症時期

年齢を問わず発症する可能性がある

有効とされる主な療法

認知行動療法 薬物療法

広場恐怖症の主な判断基準

基準A

以下の5つの状況のうち2つ以上で著しい不安または恐怖がある。

(1)公共交通機関及び自動車の利用

(2)広い場所にいること

(3)扉・壁などで区切られた場所にいること

(4)群衆の中にいることや列に並ぶこと

(5)1人で外出すること

基準B

パニック発作やそれに近似する症状や、耐えることが困難だったり当惑してしまうような状態になった時に、その状況から自分が脱出することが困難で他者の援助が得られにくいかもしれないと考えてしまい、これらの状況に対して不安と恐怖を感じ、回避しようとする。

基準C

該当する状況・環境がほぼ常に不安と恐怖を引き起こす。

基準D

該当する状況・環境を積極的に回避する。強い不安や恐怖を感じつつも、クライアントの状態を理解している他者が側にいることで、何とか耐えることが出来る。

基準E

クライアントの持つ恐怖や不安は、現実的な危険や社会文化的背景に釣り合わない。

基準F

これらの不安や恐怖の化感情や回避的な行動が6ヶ月以上続いている。

基準G

各種症状により、苦痛を感じたり、日常生活・社会的活動に支障をきたしている。

基準H

各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できない。

広場恐怖症とは、強い不安に襲われたときにすぐに逃げられない、または助けが得られそうにない状況や場所にいることに恐怖や不安を抱く状態です。多くの場合、そのような状況や場所を避けたり、多大な苦痛を感じながら耐えたりします。

広場恐怖症は不安症の一種です。広場恐怖症の人の約30~50%はパニック症も併発しています。12カ月の期間で調べると、広場恐怖症は女性の約2%、男性の約1%で認められます。広場恐怖症の人のほとんどは35歳までに発症します。

恐怖や不安を生み出す状況や場所の一般的な例としては、銀行やスーパーマーケットのレジの行列に並ぶこと、劇場や教室の長い席の中ほどに座ること、バスや飛行機などの公共交通機関を利用することなどがあります。このような状況でパニック発作に襲われた後に広場恐怖症を発症する人もいます。同じような状況に居心地の悪さを感じるだけで一度もパニック発作を起こさない人もいれば、後になってからそこでパニック発作を起こす人もいます。広場恐怖症は、しばしば日常生活に支障をきたし、極端な場合は自宅に引きこもる人もいます。

引用元:MSDマニュアル

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