目次
音声・音韻を学ぶ意義・目的
どんな発音が正しいのか?
正しい、誤り、 の基準は?
どこがどのように誤っているのか?
なぜそのような誤りが起きたのか?
目標
学習者が「何を」「どう」間違えたかをきちんと把握し、その誤りに対して、きちんと支援ができること。
誤りの原因を、いわゆる母語の干渉(負の移転)に求めるだけでなく、その「負」を「正」にかえるような何らかの方法を引き出し、具体的な音声指導に結び付けていくこと。
学ぶ時の心構え
暗記だけの机上の音声学・音声記号学にすることなく、口の動きと関連させていくこと。
アクセント
個々の語に決まっている相対的な高さや強さの配列
標準アクセント
拍を単位とする高低2段の高さのアクセント ‾ ‾ ‾
基本的に、1拍目と2拍目とは必ず高さが異なる 1語の中で山(高いところ)は1ヵ所のみ
例
箸:ハシ が
橋:ハシ が
端:ハシ が
端:ハナ が
花:ハナ が
鼻:ハナ が
明治:メイジ
大正:タイショウ
昭和:ショウワ ショウワ
平成:ヘイセイ
令和:レイワ レイワ
和語(大和言葉)には「ラ行」や「濁音」で始まる語はない
外来語で三拍の語は基本的に
①②③
テレビ カメラ
発音は同じ?
ンの発音が違う
カンマ:唇を閉じている m ⇒Kammma ヘボン式ローマ字
カンナ:唇を閉じていない n ⇒Kannnna ヘボン式ローマ字
言語音を作る仕組み
声帯(喉頭)が基本的な音を作る。⇒「発声」
そして、鼻腔と口腔によって様々な音を作り出す。⇒「調音」
喉頭の中に声帯がある その上に咽頭がある
息が音になるまで
「肺」⇒「気管」⇒「喉頭」⇒「咽頭」⇒「口腔」と「鼻腔」
「肺」で気流を起こし、「喉頭」で発生し、声道{「咽頭」「口腔」「鼻腔」}で調音する
喉頭における発声
無声音
声帯の振動がなく、息のみで作られる
有声音
声帯の振動音(=声)が加わった息で作られる
例
無声音:ビタミンシー 声帯の振動がある「シ」の「イ」が発音されている
無声音:(静かに!)シー 声帯の振動がある「シ」の「イ」が発音されず息のみ
調音
母音
息の妨害が無い:声が加わった息を妨害せず口の中(声道)で共鳴させる。有声音のみ。
子音
息の妨害が有る:息を口の中のどこかで妨害して作る。無声音も有声音もある。
五十音図の仮名と日本語の発音(発声)
ァ行
母音 母音は有声音
その他の行
子音+母音 母音の部分は有声音 子音は有声音か無声音か?
濁点
その仮名文字に含まれる子音が「無声音」の場合に、声帯振動を加えて、子音を「有声音」にする記号
つまり、含まれる子音が「有声音」の場合には、濁点をつけられない。
含まれる子音が有声音で濁点無し⇒ナ マヤラワ の行
含まれる子音が無声音⇒カサタ ハ の行
濁点で含まれる子音が有声音になる⇒ガザダ バ の行
半濁音⇒パ の行
「カサタハパ行」の子音が無声子音で、他の行の子音は有声音
母音
母音
母音は声を声道に共鳴させる音なので、息が共鳴する声道の形や大きさにで音が決まる
声道の形を変えるのは=舌の前後の位置
声道の大きさを変えるのは=舌の高さ(開口度)
唇を丸めて突き出すかどうかも声道の形状に影響する(日本語では音の区別には関与しない)
舌の前後の位置
前舌⇒イ エ
中舌⇒
後舌⇒ウ オ
区別なし⇒ア
舌の上下位置(開口度)
高(狭い)⇒イ ウ
中⇒エ オ
低(広い)⇒ア
唇の丸めの有無
円唇⇒
非円唇⇒
イ エ ア オ ウ の順番で下の高さと前後位置が変化していく
母音の特徴
ア:非円唇母音
イ:非円唇母音
ウ:円唇母音 [ɯ]
エ:非円唇母音
オ:円唇母音
引用元:ウィキペディア
子音
子音は息を妨害して作る音なので、息を妨害する位置と息を妨害する方法で音が決まる。
調音点
息を妨害する位置
上顎=口蓋(こうがい)
歯茎硬口蓋(しけいこうこうがい) 硬口蓋(前側) 軟口蓋(後側) 口蓋垂(のどちんこ)
歯茎硬口蓋
舌が盛り上がり、舌の前のほうが、硬口蓋の前部で、閉鎖・狭めを作る
硬口蓋
舌が盛り上がり、舌の中ほどが、硬口蓋で、閉鎖・狭めを作る
軟口蓋
舌が巻かれ、舌の後部が、軟口蓋で、閉鎖・狭めを作る
歯茎(しけい)
歯茎 後部歯茎 歯茎硬口蓋
舌が平らで舌先が歯茎で閉鎖・狭めを作る ⇒ T S
舌
舌先(舌尖・舌端) 前舌 後舌
両唇(りょうしん)
上下の唇が閉鎖・狭めを作る ⇒パ バ マ
引用元:ウィキペディア
調音法
息を妨害する方法
鼻音
口腔を調音点で閉鎖して、鼻腔に有声の息を通す ⇒ハミング、ンー マ行 ナ行 ガ行(鼻濁音)[m][n]
破裂音
口腔を調音点で閉鎖して、息をためて、その後開けて一気に息を出す ⇒カ行 タ テ ト パ行 ガ行 ダ デ ド バ行 [p][b][t][d][k][g]
摩擦音
調音点に狭い隙間を作り、息を吐きながら、音を出す ⇒スー シー フー ヒー ハー サ行 ハ行 ザ行(語中)[s][z]
破擦音
破裂音の直後に、摩擦音が起きて、合成される ⇒ツ行 チ行 ザ行(語頭)
弾き音
舌先で歯茎を軽く1回叩くようにする ⇒ラ行
震え音
調音点で舌などを2回以上震わせる ⇒巻き舌
側面音
舌が呼気の通路の中央を閉鎖し、息が舌の側面から出る ⇒英語のL
半母音
摩擦が起きない程度の隙間を作って、声を響かせて作る接近音のうち、持続しないで、次の音に渡る子音として働く音 ⇒ヤ行 ワ行
コメントを残す