簡素な生き方/本のレビュー

簡素な生き方

「簡素な生き方」を読んで学んだ知識や考え方をご紹介します。

今の世の中は、物や刺激で溢れかえっています。美味しいものをお腹一杯食べ、見たい情報はスマホで何でも見られ、テレビの映像表現の派手さはどんどんエスカレートしていく。

こんな豊かな国「日本」ですが、国民の心は満たされているでしょうか。家族みんなで1台のテレビを見ながら夕食を食べてたあの簡素な時代の方が心豊かだった気がします。

環境が複雑になって、頭の中も混乱しやすくなってしまったこの時代、「簡素な生き方」で心の豊かさを取り戻したいものです。

この本で学び取ったことの重要ポイントをお伝えします。

豊かな現代の日本

今の日本は、殆どの国民が、美味しい食べ物をおなか一杯食べられ、着るものにも困らず、空調設備の整った住宅に住み、洗濯機や冷蔵庫や電子レンジなどの生活家電で便利な生活を送り、スマホで知りたい情報を何でも知る事が出来る。

こんなに恵まれているのに、なぜか満たされない気持ちでいる。将来に不安を感じている方が少なくないのではないでしょうか。

それは、物質的な豊かさばかりを求め、もっと大切なものを後回しにしているからなのではないでしょうか。

生き方で言う「簡素」とは

「簡素な生き方」の「簡素」は、物質的なものではありません。余計なものが置いていないシンプルな部屋に住んで、衣類も必要以上に持たず、食事も粗食に心がけるといったものではないという事です。例えば贅沢な生活をしていても簡素に生きている方はいらっしゃいます。

簡素な生き方は「心の状態」です。自分が本来の自分であろうと意識し、生活することです。

自信を持つこと

自分が本来の自分であるかどうか、確認したり考えてばかりいたら、「簡素」ではなくなってしまいます。頭の中も簡素でなければなりません。

頭の中をスッキリと簡素にするためには、「自信」が必要です。自分に自信があれば、あれこれ迷うことなく行動することが出来ます。そして心にゆとりが生まれ、愛情深い人間になることが出来ます。

言葉も簡素に

言葉は、物事や気持ちを伝えるのに便利な道具です。相手を思い通りにするために巧みな表現で相手を操ろうとするために使われることもあります。

愛情表現は、気持ちを表す様々な表現がありますが、凝った表現が必ずしもうまく伝わるとは限りません。

事実をそのままシンプルにストレートな言葉で伝えるほうが気持ちが伝わりやすいです。

「私は、あなたを好きです。」

身近な小さな大切なこと

本来大切ではないことに気をとられ、本当に大切なことを忘れてしまうことはありませんか。自分自身や家族や自分を助けてくれる身近な人たちのことを。自分を大切にしてくれる人が一番大切な人です。

小さなことでも自分に出来る「善」を行うこと。皆がそういう行いをすれば、世の中もっと心が豊かになるでしょう。電車で「お年寄りや体の不自由な方に席を譲りましょう。」とアナウンスが流れるのには違和感があります。最近では駅で「困っている人がいたら声をかけましょう。」のようなアナウンスを聞きます。これを聞いて皆さんどう思われますか。

人間の欲求

十分豊かな生活をしているのに満たされない。そういう場合は、もっと豊かになっても満たされないでしょう。欲求はどんどん肥大化していきます。

欲求を満たすには、自分の欲求を簡素にすることです。欲求を簡素にするということは、「自分が自分らしくありたい。」それだけです。

この本のご紹介

この内容に興味がありましたら是非読んでみてください。おすすめの1冊です。

簡素な生き方

100年前にフランスで生まれ、アメリカで100万部を突破した「うつくしい道徳」が、よみがえる。心を正す、簡素な生活とは? 精神の在り方とは? 人との接し方とは?今こそ読み直したい、心を正し、簡素に生きるための指針。

100年前にフランスで生まれ、アメリカで100万部を突破した「うつくしい道徳」が、よみがえる。
心を正す、簡素な生活とは? 精神の在り方とは? 人との接し方とは?
今こそ読み直したい、心を正し、簡素に生きるための指針。
フランス・シンプル思考の源流。

○簡素の精神
簡素の本質とは、質素な服、住まい、ほどほどの暮らし、貧乏を指すのではない。
簡素な生活とはシンプルな暮らしではなく、あるがままの自分でいること。
人間の理想は、生活を生活そのものより偉大な宝物に変えること。

○簡素な言葉
新聞をうのみにするな。記者は相食む蛇であり、仲間内で競争をしている。
事実ではなく利益になることを言う人の、単純化された話を信じてはいけない。
美しい言葉は着飾った奉公人のようなもので、奉公人本来の役目を果たさない。

○簡素な義務
偉業に挑んで失敗した時ではなく、単純な義務を怠けたとき、人は魂を失う。
破産して「何一つ失うものはない」というときは、手元に残った破片を拾うこと。
窓ガラスが割れた時、犯人が見つかるまで割れたままにしておくのは愚かなこと。

○簡素な楽しみ
戦場で一瞬、歌を口ずさむ兵士がいるように、困難のさなかにも喜びは見つかる。
喜劇を見て評論する知識人より、大笑いする庶民のほうが、楽しむことの達人。
悲しむ人に合わせて悲しい顔を作るより、その人が一粒の楽しみを見つける手伝いをせよ。

・・・このほか、思想、欲求、ビジネス、人間関係、家庭、センスについて、いかに簡素であるべきかを提示。

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本書は著者が結婚式でしたスピーチがもととなっている。話に感動した列席者が出版社に勤めており、書籍化を提案。半年後にフランスで刊行された。

ルーズベルト大統領が「私たちが心に銘記すべきことをこれほど多く含んでいる書物は、私の知る限り他にはない」と絶賛したことでアメリカで100万部を超え、ヨーロッパでもさらに広く読まれた。