統語的対照
文法関係の表示
「日本語・韓国語」は形態的に「後置詞(格助詞)」で表す
後置詞(格助詞)で文法関係を表示するので、語順の制約は厳しくない
例:私がお茶を飲む 〇お茶を私が飲む
しかし、後置詞を入れ替えることはできない
例:×私をお茶が飲む
「中国語・ベトナム語・英語」は統語的に「語順」で表す
語順で文法関係を表示するので、語順の制約が厳しい
例:I drink tea. ×Tea drink I.
文法関係の「主語・目的語」の表示と「場所」の表示の違い
日本語・韓国語
主語・目的語だけでなく、場所も形態的に表示(後置詞)する
例:学生が 学生を 学校で 学校から 学校に
中国語・ベトナム語・英語
主語・目的語は形態的な表示がなく、場所(時間・道具)だけ形態的に表示(前置詞)する
例:at school /from school /to school/at three/with pen
名詞文
肯定文
日本語・韓国語
名詞1+名詞2+~だ
例:私は学生だ
中国語・ベトナム語・英語
名詞1+~だ+名詞2
例:I am a student.
否定文
肯定文
日本語・韓国語
名詞1+名詞2+~だ+否定
例:私は学生ではありません
中国語・ベトナム語・英語
名詞1+否定+~だ+名詞2 又は 名詞1+~だ+否定+名詞2
例:I am not a student.
疑問文
日本語・韓国語
名詞1+名詞2+~だ+疑問
例:私は学生ではありません
中国語・ベトナム語
名詞1+~だ+名詞2+疑問
英語
~だ+名詞1+名詞2
例:Are you a student?
形容詞文
肯定・否定・疑問
日本語
この本は 面白い です。 この本は 面白くない です。 この本は 面白いです か。
中国語
否定:否定+形容詞 疑問:形容詞+疑問
英語
This book is not interesting. Is this book interesting?
動詞文
肯定・否定・疑問
例文:私はお茶を飲みます。あなたは何を飲みますか。
韓国語
日本語と語順が同じ
中国語
語順はSVO
過去:過去に応じた動詞の語形変化はなく「了」が動詞の後に付く
否定:主語と動詞の間に「不」を挟む
疑問1:最後に「~か」を加える
疑問2:「お茶」を「(何)」にする
ベトナム語
語順はSVO
過去:過去に応じた動詞の語形変化はない 「昨日」にように時を表す語で過去を表す 「(~た)」が動詞の前に付ける場合もある
否定:動詞と目的語の間に「(~ない)」を挟む
疑問1:動詞の前に「疑問」を付け、最後に「~か」を加える
疑問2:「お茶」を「(何)」にする
英語
I drank tea./ I do not drink tea. /Do you drink tea? /What do you drink?
名詞修飾
所有+名詞
例文:私の 本
韓国語
私の 本
中国語
私の 本
英語
私の 本
ベトナム語
本 の 私
形容詞+名詞
例文:難しい 本 /難し そうな 本
韓国語
難しい 本 /難し そうな 本
中国語
難しい 的 本 /そう 難しい 的 本
英語
difficult book / the book whitch seems to be difficult
ベトナム語
本 難しい / 本 ~そう 難しい
修飾節+名詞
例文:私が 飲む お茶 / 私が 飲ん だ お茶
韓国語
私が 飲む お茶 / 私が 飲ん だ お茶
中国語
私 飲む ★ お茶 / 私 飲む ★ お茶
ベトナム語
お茶 飲む 私 / お茶 飲む 私
英語
tea I drink / tea I drank
意味的対照
テンス(tense):時制⇒未来/現在/過去
「いま」を基準にして「明日/今日/明日」のように、大きく3つに分けた時間の区分
英語
未来:will go 現在:go 過去:went
日本語
未来:行く 現在:ー 過去:行った
未来:ー 現在:ある 過去:あった
アスペクト(aspect):時の変化の局面⇒開始/進行/完了
何らかの出来事(動作)における時間的な変化の局面 動詞
日本語
開始:動詞+かける/はじめる/だす 進行:動詞+ている/つつある 完了:動詞+おえる/きる/た
英語
開始:begin to 動詞 進行:be +動詞ing 完了:have + 過去分詞
アスペクト「進行」
例文:私は お茶を 飲んで いる
日本語 SOV
私は お茶を 飲んで いる ⇒V進行
韓国語 SOV
私は お茶を 飲んで いる ⇒V進行
中国語 SVO
私 飲む いる お茶 ⇒V進行
英語 SVO
I am drinking tea. ⇒V進行
ベトナム語
私 いる 飲む お茶 ⇒進行V
可能
例文:私は 日本語を 話す ことができます
日本語
私は 日本語を 話す ことができます
韓国語
私は 日本語を 話す ことができます
中国語
私 ことができます 話す 日本語
ベトナム語
私 ことができます 話す 語 日本
英語
I can speak Japanese.
「能動文」と「受動文」
能動文例:先生が 私を ほめます
受動文例:私が 先生に ほめられます
日本語
能動:先生が 私を ほめます ⇒SOV
受動:私が 先生に ほめられます ⇒OSV
韓国語
能動:先生が 私を ほめます ⇒SOV
受動:私が 先生に ほめられます ⇒OSV
英語
能動:先生 ほめます 私を ⇒SVO
受動:私が ほめられます に 先生 ⇒OSV
中国語
能動:先生 ほめます 私 ⇒SVO
受動:私 に 先生 ほめます ⇒OSV
ベトナム語
能動:先生 ほめます 私 ⇒SVO
受動:私 に 先生 ほめます ⇒OSV
敬語
絶対敬語:状況や場面に関わりなく、上下関係を重視した言語形式が固定的な敬語
相対敬語:上下関係よりも、ウチ/ソトの関係が重視されるため、同じ出来事であっても、尊敬語になったり謙譲語になったりする敬語
例:「伊藤部長は、いらっしゃいますか?」
絶対敬語:「伊藤部長は、会議室にいらっしゃいます。」
相対敬語:「伊藤は、会議室におります。」
日本語
友達が ケーキを 食べます
先生が ケーキを 召し上がります
祖母が ケーキを いただきます
韓国語
友達が ケーキを 食べます
先生が(+敬意) ケーキを 召し上がります
祖母が(+敬意) ケーキを 召し上がります ⇒相対敬語は使わない 謙譲語がない
漢語の類似性
漢字文化圏(中国・韓国・ベトナム・日本)文字・単語レベルの影響
日本語
大学:ダイガク 学生:ガクセー 注意:チューイ 意見:イケン
ベトナム語
大学:ダイホック 学生:ホックシン 注意:チューイー 意見:イーキェン
韓国語
大学:テハック 学生:ハックセン 注意:チュユイ 意見:ウイギョン
中国語
大学:ターシュエ 学生:シュエシュン 注意:チュユイー 意見:イージェン
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