反社会性パーソナリティ障害の特徴と診断基準

反社会性パーソナリティ障害

反社会性パーソナリティ障害の特徴

原因

未解明

発症時期

主に19歳~24歳ころまでに確認される

有効とされる主な療法

認知行動療法・精神分析療法

反社会性パーソナリティ障害の診断基準

基準A

他者の権利を無視し侵害する発言・態度・行動が15歳以降から認められ、以下のうち3つ以上によって示される。

1.社会的規範から免脱し、法律違反により逮捕されるような行為を繰り返し行う。

2.繰り返し嘘をつく、偽名を使う、自分の利益や快楽のために人を騙すという虚偽性を示す。

3.衝動的であり、将来の計画を立てられない。

4.いらだたしさや攻撃性を持ち、喧嘩または暴力を繰り返すことによって示される。

5.無謀さが認められ、その無謀さの影響は自身も他者にも及ぶ。

6.首尾一貫して無責任であり、安定した就業が続けられない、社会的・経済的な義務を果たさない、ということを繰り返す。

7.他者を傷つけたり、いじめたり、他者のものを盗んだりすることに対する良心の呵責が欠如しており、無関心であったり、それらの行為を正当化したりする。

基準B

15歳以前に素行症を発症した明確な証拠がある。

基準C

各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できない。

反社会性パーソナリティ障害は、結果や他者の権利を軽視する広汎なパターンを特徴とします。
  • 反社会性パーソナリティ障害の患者は、自分や他者がどうなるかを考えることなく、また良心の呵責や罪悪感を感じることなく、自分の望むことを追い求めます。

  • 反社会性パーソナリティ障害の診断は、結果や他者の権利の軽視、自分が望むことを手に入れるためにうそをついたり、操作したりすることなどの症状に基づいて下されます。

  • 反社会性パーソナリティ障害の治療は困難ですが、認知行動療法や特定の薬が攻撃性と衝動的行動を軽減するのに役立つことがあります。

パーソナリティ障害(人格障害とも呼ばれます)とは、本人に重大な苦痛をもたらすか、日常生活に支障をきたしている思考、知覚、反応、対人関係のパターンが長期的かつ全般的にみられる人に対して用いられる用語です。

反社会性パーソナリティ障害の患者は、自分の利益や快楽のために法を犯したり、詐欺を働いたり、搾取的に振る舞ったり、無謀な行動をとったりし、良心の呵責を感じないことがあります。患者は以下のことを行うことがあります。

・自分の行動を正当化または合理化する(例えば、「敗者は敗けるべくして負けた」と考えることがある)

・被害者を馬鹿だったまたは無力だったと責める

・自分の行動が他者に及ぼす搾取的で有害な影響に無頓着である

・他者の権利や感情、法律を平気で軽視する

反社会性パーソナリティ障害は米国の一般の人の3%強にみられます。この病気は男性に6倍多くみられます。この病気は高齢者層では少なく、患者が時間の経過とともに自分の行動を変化させることを学べることを示唆しています。

他の病気もしばしばみられます。このような病気には以下のものがあります。

反社会性パーソナリティ障害患者のほとんどで物質使用障害もみられ、物質使用障害患者の約半数に反社会性パーソナリティ障害がみられます。

引用元:MSDマニュアル

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