目次
日本語の書記システムの特徴
文字の種類が多い。ひらがな・カタカナ・漢字
文字の数が多い。2000文字以上
横書きと縦書きの両方がある
文字の種類
漢字:表意文字 意味も表す
表音文字:音を表す 仮名・ローマ字
漢字学習の困難点
漢字を使いこなすためには、字形・読み・意味そしてその用法の4つの情報が必要。
字形
点画が多い
類似形が多い
書き順を覚える必要がある
読み
一字に複数の読み方がある
似た音が多い
意味
一つの漢字に一つの意味とは限らない
全てが象形文字というわけではない など
漢字の学習目標
漢字の字数
4級:100字
3級:300字
2級:1000字
1級:2000字
漢字の歴史
甲骨文字 金文 ・・・隷書 楷書
漢字の分類
六書 りくしょ
漢字を6種類に分類したもの
漢字の成り立ち
文 もん
1.象形:物の形を線で表したもの 例:山 川 木 目 口
2.指事:象形では表せない状況・概念などを点た線で表したもの 例:上 下 一 二 三
字 じ
3.会意:意味を持つ要素を組み合わせて作ったもの 意符+意符 例:林 休 美 位 相
4.形成:意味を持つ要素と音を表す要素を組み合わせて作ったもの 意符+音符 例:伴 城 性 糖 迫
文字の運用
5.転注:既にある漢字を派生義で使う用法 例:足首・足跡⇒止
6.仮借:意味とは関係なく、同音あるいは類音の漢字を使って、その語を書き表す用法 例:花のつぼみ(フ)⇒不
六書の知識の日本語教育への応用
会意
明=日+月
林=木+木
森=木+木+木
鳴=口+鳥
形声
伴=形+声
頭=声+形
声符
交 コウ = 交 効 校
青 セイ = 青 晴 清
部首
漢字を構成する要素の中に見られる、共通の字形。漢字を類別するときに目印となる。
漢字辞典で漢字を配列する項目としても使われる
編 へん
左右に分けた左側の部分
にんべん ぎょうにんべん てへん つちへん きへん のぎへん けものへん うしへん しめすへん ころもへん りっしんべん さんずい にすい
こざとへん こめへん
旁 つくり
左右に分けた右側の部分
りっとう ふるとり おおがい おおざと
冠 かんむり
上下に分けた上の部分
けいさんかんむりなべぶた わかんむり うかんむり あなかんむり くさかんむり たけかんむり
脚 あし
上下に分けた下の部分
れんが こころ
垂 たれ
上部から左側へ垂れ下がっている部分
がんだれ まだれ やまいだれ
饒 にょう
左上から下部を巡っている部分
しんにょう(しんにゅう) えんにょう(えんにゅう) そうにょう
構 かまえ
全体を包み込んでいる部分
もんがまえ くにがまえ
部首の知識の日本語教育への応用
同じ部首を持つ漢字を集めて、記憶につなげる
さんずい:池、河、泳 ⇒ 水
にんべん:体、休、使 ⇒ 人
くさかんむり:草、花、茎 ⇒ 植物
部首を三つに分ける
解 親 努 品
画数
カタカナで考えてみる
1画:ノ フ ヘ レ
2画:ア イ カ ク コ ス セ リ ト ナ ニ ヌ ハ ヒ マ ム メ ヤ ユ ラ リ ル ワ
3画:ウ エ オ キ ケ サ シ タ チ ツ テ ミ モ ヨ ロ
4画:ネ ホ
コーパス
『現代日本語書き言葉均衡コーパス』語彙表
現代日本語のさまざまな書き言葉を1億語分収録したコーパス
少納言
中納言
音読みと訓読み
音読み
昔、中国から漢字が伝わってきたときの音をそのまま受け入れた読み方。中国語音が日本語化したもの。
呉音:5、6世紀のころ伝わった楊子江の下流地域の音
漢音:7~9世紀「唐」の長安から留学生などが持ち帰った音
唐音:13世紀のころから本格的に入ってきた「宋」以降の音 禅僧や商人が持ち込んだ音(別名:唐宋音)
訓読み
漢字が持つ意味に注目して日本語訳した読み方が次第に定着したもの。
国字
日本で作った漢字
会意が多い
約1,500種類
平安時代初期から
国字の例
躾 しつけ 峠 とうげ 働く 搾る 鱈 たら 鯏 あさり 鰯 いわし 鱚 きす
筆順(書き順)
筆順の意義
形を整えるため
画数を正しく数え、字を覚えやすくするため
筆順の扱い
大原則1:上から下へ
大原則2:左から右へ
原則1:横画がさき
原則2:横画があと
原則3:中がさき
原則4:外側がさき
原則5:左払いがさき
原則6:つらぬく縦画は最後
原則7:つらぬく横画は最後
原則8:横画と左払い
「必」の筆順
ソ→レ→ハ
字体・書体などについて
字体
繁体字・旧字体:台湾、韓国
新字体:日本
簡体字:中国
書体
明朝体 ゴシック体 教科書体
コメントを残す