統合失調症の特徴と診断基準

統合失調症

統合失調症の特徴

原因

未だ未解明であるが、ドーパミンの分泌異常原因説がある。また、遺伝も関係する。

発病時期

主に10代後半~30代半ば

有効とされる主な療法

薬物療法 認知行動療法 SST

統合失調症の診断基準

基準A

以下の症状のうち、2つ以上が1ヶ月間ほぼ常に存在している。また、2つ以上の症状のうち、少なくとも1つは1,2,3のいずれかである。

1.妄想

2.幻覚

3.支離滅裂な発言・会話

4.支離滅裂な行動

5.陰性症状(感情の平板化・思考の貧困・意欲の低下・活動性の低下など)

基準B

各種症状の発症により、仕事・対人関係・自己管理などの面のうち1つ以上の機能が著しく低下している。

基準C

各種症状が少なくとも6ヶ月間持続している。また、基準Aの症状については1ヶ月以上持続している。

基準D

各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できない。

基準E

各種症状は薬物などの外的要因によって引き起こされるものではない。

統合失調症は、現実とのつながりの喪失(精神病)、幻覚(通常は幻聴)、妄想(誤った強い思い込み)、異常な思考や行動、感情表現の減少、意欲の低下、精神機能(認知機能)の低下、日常生活(仕事、対人関係、身の回りの管理など)の問題を特徴とする精神障害です。

・統合失調症は、遺伝的な要因と環境的な要因の双方によって起こると考えられています。

・症状は様々で、奇異な行動、とりとめのない支離滅裂な会話、感情鈍麻、寡黙、集中力や記憶力の低下など、多岐にわたります。

・統合失調症の診断は、考えられる他の原因の可能性を検査で否定した後に、症状に基づいて下されます。

・経過の良し悪しは、患者が処方された薬を指示通り服用するかどうかに大きく左右されます。

・治療としては、抗精神病薬、トレーニングプログラムと地域支援活動、精神療法、家族への心理教育などを行います。

統合失調症は世界中で健康上の大きな問題となっています。自立した生活を確立していく年代の若年者に発症するのが典型的で、日常生活への支障とそれに伴う偏見が生涯続く可能性があります。患者の人生に及ぼす影響と経済的な損失からみて、統合失調症は人類を苦しめている最悪の病気の1つとされています。

統合失調症は、世界的に人々の日常生活に支障をきたす主要な原因の1つとなっており、人口の約1%が発症します。統合失調症の発生率に男女差はありません。米国では、統合失調症は社会保障制度上の障害日数の約5分の1を、また医療費全体の2.5%を占めています。統合失調症は、アルツハイマー病や多発性硬化症より多くみられる病気です。

統合失調症は、症状があまり知られておらず、治療の開始が年単位で遅れる場合もがあるため、発症時期の特定が難しい場合がよくあります。平均発症年齢は、男性では20代前半から半ば、女性ではそれよりやや後の年齢です。統合失調症が小児期に発症することはまれですが( 小児と青年における統合失調症)、青年期以降になると発症がみられるようになります。

社会的機能の低下は、物質乱用、貧困、路上生活の原因になります。治療を受けない統合失調症患者が家族や友人との接触を失って、大都市で路上生活を送っている場合もよくあります。

引用元:MSDマニュアル

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