パーソナリティ障害の特徴と判断基準と分類

パーソナリティ障害群

パーソナリティ障害群に分類される疾患は、精神発達症群に分類される疾患と同様に先天的なものでることが多く、性格特性に関する様々な問題が主症状です。10個障害群はA・B・Cに分類される10個の疾患からなります。

パーソナリティ障害群全般における主な判断基準

基準A

以下の事柄について著しく偏った状態が持続し、様々な領域で認められる。

(1)認知

(2)感情

(3)対人関係における各種能力

(4)衝動性の制御

基準B

基準Aに対して柔軟性がなく、派生する問題は個人的・社会的状況の幅広い範囲に広がっている。

基準C

基準Aに関する問題により、苦痛を感じたり、日常生活・社会的活動に支障をきたしている。

基準D

基準Aに関する問題は、安定して長期間続いており、少なくとも青年期または成人期早期において確認される。

基準E

各種症状は薬物などの外的要因や身体疾患によって引き起こされているものではない。

パーソナリティ障害群の大分類

A群パーソナリティ障害(クラスターA)

「猜疑性パーソナリティ障害」「シゾイドパーソナリティ障害」「統合失調型パーソナリティ障害」の3つが該当します。特徴として、奇妙な認知・感情・行動や閉じこもりがちな性質が挙げられます。

猜疑性パーソナリティ障害

他者の発言・行動・態度を悪意のあるものと解釈するなどの広範な不信と疑い深さが示される。

シゾイドパーソナリティ障害

様々な社会的環境からの離脱、対人関係における感情表現が限定的な範囲に留まるなどが示される。

統合失調型パーソナリティ障害

認知及び知覚において歪曲的な解釈・判断が多く、それに伴う奇妙な行動が示される。

B群パーソナリティ障害(クラスターB)

「反社社会性パーソナリティ障害」「境界性パーソナリティ障害」「演技性パーソナリティ障害」「自己愛性パーソナリティ障害」の4つが該当します。特徴として、感情面の激しい混乱と他者を巻き込む傾向が挙げられます。

反社社会性パーソナリティ障害

他者の権利を無視し侵害する発言・態度。行動が15歳以降から認められる。

境界性パーソナリティ障害

対人関係、自己認識、感情などが著しく不安定で衝動性が強い。

演技性パーソナリティ障害

過度な感情表現と他者の注意をひこうとする行動が示される。

自己愛性パーソナリティ障害

空想や行動における誇大性が強く、他者から賛美されたい欲求、他者への共感性の欠如などが示される。

C群パーソナリティ障害(クラスターC)

「回避性パーソナリティ障害」「依存性パーソナリティ障害」「強迫性パーソナリティ障害」の3つが該当します。特徴として、不安や恐怖が強いという傾向が挙げられます。

回避性パーソナリティ障害

社会的制御・不完全・否定的評価に対する過敏性が示される。

依存性パーソナリティ障害

他者に自分の面倒をみてもらいたいという過剰な欲求があり、他者に従属的でしがみつく行動をとり、分離に対して不安を感じる。

強迫性パーソナリティ障害

秩序維持・完璧主義・感情や対人関係の統制に強くこだわり、柔軟性・開放性・効率性が著しく阻害されているという状態が示される。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です