目次
日本語教育文法と国文法の違い
国文法
日本語が使える人のための文法
日本語が分からない人にとっては役に立たない
日本語教育文法
日本語を使えるようにするための文法
特徴
最初に教える動詞の形は「マス形」
動詞の活用 3つのグループ
1グループ:五段活用の動詞
2グループ:上一段、下一段活用の動詞
3グループ:変格活用の動詞
形容詞
形容詞:イ形容詞
形容動詞:ナ形容詞
分のパターンで覚える
~は~が好きです。 ~は~たことがあります。
文型と場面、機能
文型だけを教えるだけでは不十分。
場面・機能がなければ運用力は身につかない。
日本語の運用力を身に付けるためには、文法の知識だけを教えるのではなく、それが用いられる場面 、またその機能が明確に示されている必要がある。
それぞれの場面で用いられる文型と品詞
指示詞「こそあ」
名詞的用法、連体詞的用法、副詞的用法に分かれる
名詞的用法:これ・それ・あれ・どれ
連体詞的用法:この・その・あの・どの
副詞的用法:こう・そう・ああ・どう
指示詞の用法
現場指示
発話の場面で直接指示される
話し手と聞き手が対立する場合、現場指示では通常話し手と聞き手は対立する関係にある
こ:話し手の領域にあるもの
そ:聞き手の領域にあるもの
あ: 両者の領域にあるもの
話し手と聞き手が対立しない領域
話し手と聞き手が接近している場合、両者が対立しない「共有の場」が形成される。
こ: 話し手と聞き手の近くにあるもの
そ: 話し手と聞き手から少し離れたもの
あ: 話し手と聞き手から遠くにあるもの
文脈指示
話の中で話題となった事柄を指し示す
最も基本的で使用する頻度も高いのは「そ」と「あ」の使い分けである
・相手が話した要素を受ける場合は「そ」を用いる。
・話し手と聞き手が共に知っていることについて話す場合は「あ」を用いる。
・ 直後に話そうとしている要素には「こ」を用いる。
・ 記憶の中にある要素には「あ」を用いる。
基本的な動詞文
動詞の種類
・自動詞 :「ヲ格」の目的語を取らない動詞
・他動詞 :「ヲ格」の目的語を取る動詞
・移動動詞:主体の移動を表す動詞
・授受動詞:物のやりもらいを表す動詞
格助詞
述語との文法関係を示す
が・を・に・で・から・と・へ・より・まで
動詞のパターン
動詞によって必須の格が異なり、格助詞の組み合わせにはパターンがある
自動詞のパターン:~が+動詞
他動詞のパターン:~が~を+動詞
移動動詞のパターン:~が~へ+動詞
授受動詞のパターン:~が~に~を+動詞
助詞
格助詞の用法
ガ格、ヲ格、ニ格、デ格、カラ格
ガ格
主体・対象
ヲ格
対象・移動の起点・移動の経路
ニ格
場所(存在を表す)・時
デ格
場所(動作をする場合)・原因・期限や限度・道具
カラ格
場所の起点・時の起点
取り立て助詞
文の成分に特別な意味を加える
は・なら・も・だけ・しか・ばかり・こそ・さえ・まで・でも・など・なんか・なんて
「は」:主題・対比を表す
並列助詞
対等な関係で語を結ぶ
と・や・とか・だの・か
接続助詞
従属節と主節をつなげる
と・なら・が・けれど・のに・から・し
終助詞
文末に付く
か・かな・よ・ね・さ・なあ・よね
複合格助詞
複数の品詞から成る
に対して・のために・として
「は」の用法
主題を表す
私は学生です。
対比を表す
犬は嫌いだが猫は好きではないです。
「が」と「は」の使い分け
新情報と旧情報
新情報は「が」、旧情報は「は」
排他と対比
排他は「が」、対比「は」
現象文と判断文
現象文は「が」、判断文は「は」
形容詞
形容詞の種類
イ形容詞:おいしい
ナ形容詞:しずかな
属性形容詞 :性質や状態などの属性を表す 大きい 小さい
感情形容詞 :人の感情や感覚などを表す 嬉しい 悲しい
連体詞との違い
連体詞:連体修飾だけの機能を持つ。 活用がない。
・動詞の形に似ているもの :ある・あらゆる・いかなる
・「~の」という形のもの :この・その・ほんの・例の
・「~な」という形のもの :大きな・小さな・おかしな
連体修飾
文法のルール
「修飾」+「被修飾」
~が「動詞普通形」+名詞
連体修飾の分類
内の関係: 被修飾名詞が、修飾名詞節の内に入る。
外の関係 :被修飾名詞が修飾名詞節の外にある。
用法の分類
限定用法 :普通名詞を修飾し特定の意味を加えることで する。
非限定用法 :特定の意味を加えるのではなく、説明をする。
「が」と「の」の交替
名詞修飾節の中では主語を表す「が」と「の」の交替が可能である。
これは私が作ったケーキです。これは私の作ったケーキです。
副詞
活用しない。主に述語を修飾する連用修飾語として機能する。
副詞の分類
情態副詞(状態副詞・様態副詞)
主として動詞にかかる。動作や作用の様子を説明する。
程度副詞
述語が表す動作や状態の程度を表す。名詞や副詞を修飾することもある
陳述副詞(呼応の副詞)
述語の陳述を表し、文末と呼応する。
例:きっと(・・・だろう) 決して(・・・ない)もし(・・・なら)
存在文
「います」「あります」の使い分け
います
人や生き物
~に~がいます
あります
物
~に~があります。
場所
~で~があります。
「は」と「が」の使い分け
何があるかを教える場合
~はあります。
何があるか知らない場合
~があります。
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