目次
第一言語の習得
第一言語
習得した複数の言語の中で優先的に使用する言語
母語
生まれて初めて身につける言語
言語は持って生まれた生得的な能力:言語生得説
言語生得説byチョムスキー
言語獲得装置LAD を持っているから 刺激の貧困でも習得できる
生まれたときから、普遍文法(パラメーター・全言語共通)を持っていて、第一言語に合わせた個別文法(各言語に合わせ文法)に書き換えて作る
言語は後天的に学び取る能力
byスキナー
周囲からの刺激⇒模倣⇒反応⇒強化⇒習慣形成
肯定証拠:どのような文が文法的に正しいか示された情報
否定証拠:どのような文が非文法的なのかを示す情報
言語を習得する能力は生得的・言語そのものに関する知識は後天的に学習
byトマセロ
臨界期仮説
臨界期
言語獲得の年齢限界 12歳
臨界期を過ぎると母語話者並みの言語を獲得できなくなる
第二言語習得
第二言語
目標言語が日常生活で使用されている環境にある場合
外国語
目標言語が話されていない国や地域において学習する場合
JSLとJFL
JSL
Japanese as a Second Language
日本で学ぶ日本語
JFL
Japanese as a Foreign Language
海外で学ぶ日本語
第一言語習得に対する第二言語習得の違い
既に一つの言語体系を獲得している
既に認知能力が発達している
習得状況に個人差が大きい
言語を習得する年齢
臨界期仮説
byレネバーグ
ある年齢を過ぎると母語話者のような言語能力を習得するのは難しい あくまでも仮説
言語転移
第二言語の学習過程で、母語・第一言語からの影響を受けること。
正の転移
共通する文法や音声、文字が習得を促進する。
例:日本語と中国語は「修理」が同じ
負の転移(母語の干渉)
母語・第一言語が第二言語習得の妨げになる。母語の干渉
例:韓国語には「つ」「ず」がないので、つくえ⇒ちゅくえ ずっと⇒じゅーと
対照分析
負の転移ではない誤用もある
誤用分析
誤りを分析すると、第二言語習得過程の解明につながる。
誤用
ミステイク
その場限りの間違い
うっかりミス 言い間違い
エラー
繰り返し起こす間違い
間違えて覚えている
グローバルエラー
コミュニケーションに支障がでる誤り
ローカルエラー
コミュニケーションに支障がない誤り
プラグマティック・トランスファー(語用論的移転)
例:「コーヒーを飲みたいですか」⇒「コーヒーはいかがですか」
言語間エラー
第一言語と第二言語の差異から生じるエラー
例:薬を食べる ピアノを遊ぶ
言語内エラー
第二言語の学習の不完全から起こるエラー
例:薬を買いてきました ピアノが欲しいじゃないです
過剰般化(過剰一般化)
第二言語の規則を過剰に適用した結果生じるエラー
例:おいしいのケーキ
例:長音 オトウサン〇 オウキイ× オウイ×
簡略化
言語規則を単純化することで生じるエラー
例:彼女 彼 チョコ あげた ⇒助詞を抜いている
化石化
誤りが訂正されないまま固定化して残ってしまった場合
原因:言語転移 学習ストラテジー 訓練上の転移 コミュニケーション・ストラテジー 過剰一般化
逆行(バックスライディング)
誤用が改善された後でも不安や緊張などで、再び間違ってしまうこと 逆行は「ミステイク」
誤用例
見るなら意味はわかります
さき日本に来たとき
聞ってなら
話するしている人と
日本で来て
会社で働きてきます
勉強すると日本で勉強するは違います
国で勉強したより
あの映画は、おもしろいじゃ ありません :過剰一般化
その服、似合ってますね。⇒ そうでしょ、私にぴったりでしょ。:プラグマティック・トランスファー(語用論的移転)
私は友達に日本語を教えてくれました:過剰一般化
回避
byシャクター
自信の持てない発音や語彙などの使用を避けること。
中間言語
byセリンカー
第二言語学習者独自の発展途上にある言語体系。学習者のその時点での言語能力を指す。
有標性差異仮説
byエックマン
第二言語に第一言語と異なる部分があり、
それが第一言語より複雑で特殊な場合は学習が困難 ⇒有標
それが単純で一般的な場合はそれほど難しくない ⇒無標
アイデンティティ
自己同一性 自我同一性 自分はこういう人間だという意識のこと
例:日系3世のブラジル人⇒場面によって、自分はブラジル人?日系人? 中国帰国者三世⇒自分の話すべき言葉は中国語?日本語?
例:イスラム教の学習者が授業中、外へてお祈りをしたい
学習者が日本語を勉強してこういう人になりたいというのもアイデンティティ
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