目次
日本語教育のシラバスデザイン
構成方法による分類
構造シラバス
文法や文型など、言語の構造に着目して集めたもの。
日本の英語教育が構造シラバスの理由:大勢が学べる・高校入試のため・レベルが同じ・学習期間が長い・テストを作りやすい
長所
体系的に学べる。基礎を学べる。
短所
コミュニケーション能力に欠ける。生活者に向いていない。時間がかかる。
場面シラバス
場所や場面を中心に、そこで使われるコミュニケーション表現に着目して集めたもの。
長所
今必要なことだけ学べる。短期で学べる。
短所
体系的に学べない。
例:レストランで必要な会話
テイクアウトしたい・注文したい・英語のメニューをほしい時・アレルギーを確認したい時
例:病院で必要な会話
考えてみましょう
例:郵便局で必要な会話
考えてみましょう
例:美容院で必要な会話
考えてみましょう
例:災害で必要な会話
考えてみましょう
機能シラバス
誘う、断る、謝る、俺を言うなど、言語の持つコミュニケーション上の働きを中心にしたもの。
どうやってアプローチするかが必要です。
長所
今必要なことを学べる。
短所
体系的に学べない。
例:謝る時
考えてみましょう
例:来週、休暇をとりたい
考えてみましょう
例:断る時
考えてみましょう
話題シラバス(トピックシラバス)
話題を取り上げて、それを扱うにあたって必要な表現や技能や活動を集めたもの。
長所
興味がある話題なら楽しい。
短所
興味がないと、つまらない。
例:趣味
考えてみましょう
例:好きな食べ物
考えてみましょう
例:スポーツについて
考えてみましょう
例:自動車について
考えてみましょう
技能シラバス
マクロ・スキル(読む・聞く・書く・話す)の四技能別に、マイクロ・スキルと呼ばれる各下位技能(新聞を読む・ラジオを聞く・手紙を書く・電話で話す 等)を集中的に取り上げたもの。
長所
注目した技能は向上する。
短所
体系的に学べない。
例:「聞く」下位技能は?
考えてみましょう
例:「話す」下位技能は?
考えてみましょう
例:「書く」下位技能は?
考えてみましょう
例:「読む」下位技能は?
考えてみましょう
課題シラバス
言語を使って達成すべき課題(タスク)を集めたもの。
長所
コミュニケーションの場面に結びつけやすい。実社会との関連性が高い。
短所
体系的に学べない。
例:友達と旅行の計画を立てる
考えてみましょう
例:送別会を行う店を手配する
考えてみましょう
折衷シラバス/複合シラバス
複数のシラバスを組み合わせたシラバス
シラバスの配列
依頼する・謝罪する・質問する・断る・誘う・許可願い・許可する・苦情を言う・説得する・受諾する
シラバスインベントリー
それぞれの構成基準にしたがって、項目を網羅的に羅列したもの。
コースシラバス
シラバス・インベントリーの中から、コースで扱う項目を選び出したもの。
決定時期による分類
先行シラバス
コースの開始前に予めデザインされたシラバス。
後行シラバス
コース開始後に学習者の要望に基づいて教育を行っていき、結果的にコース終了時に完成することとなるシラバス。
プロセス・シラバス
先行シラバスと後行シラバスの折衷案。
コース開始時にある程度デザインされるが、それに縛られることなく、コース中にも学習者のニーズや学習効果を考慮し、柔軟に軌道修正されるシラバス。
シラバス分析
習ったシラバス知識から教材を分析する
コメントを残す