日本語教師の学習93/主要な文法項目3

ヴォイス

動詞の表す動きについて文に現れる人の立場を表す表現。態。

特徴

助動詞がつき、格助詞が変わる

受身

動作や作用の対象を主語として述べるもの

能動文と受動文という文法関係が交替する。

動作主が主語 : 能動文

対象が主語 : 受動文

直接受身

能動文の目的語(ヲ格名詞)が受身文の主語(ガ格名詞)になる。

能動文の表す事態の影響を直接受ける人・物が主語

間接受身

能動文の表す事態から間接的に影響を受ける人が主語となる。

能動文のヲ格ではない成分が主語になる
対応する能動文には含まれない成分が主語になる

持ち主の受身

影響を受ける目的語の所有者や関係者が主語になる。必ず他動詞。

迷惑受身

自動詞を受身にしてマイナスの影響を受けることを表す。

迷惑、悪い影響をうけたという意味を表すことが多いため「迷惑の受身」という

妹がおやつを食べた ⇒ 私は妹におやつを食べられた

無生物が主語の受身

ビルが建てられた

受身にならない動詞

能力を表す動詞

出来る

自発的な意味を持つ動詞

聞こえる 見える

受身的な意味を持っている動詞

教わる

無意志動詞でその動詞が他に影響を与えない状態動詞

いる ある

使役

動作を自分で行うのではなく他者に行わせることを表すもの

親が子供に勉強させる

自動詞文

犬が走る ⇒ 飼い主が犬を走らせる

他動詞文

コックが料理を作る ⇒ 店長がコックに料理を作らせる

使役文の意味

強制

本人の意思とは関係なく、強制的に働きかける。

馬を走らせた

許可

本人の意思を尊重してやらせる。

犬に餌を食べさせた

原因

原因となる事柄が主語となり、ある事柄を引き起こす。

謙譲

歌をうたわせて頂きます

使役受身

使役と受身が同時に起きる文

上司に飲まされる

使役受身の文型

自動詞文:馬が走る 使役文:騎手が馬を走らせる 使役受身文:馬が騎手に走らされる

他動詞文:歌手が歌をうたう 使役文:指揮者が歌手に歌わせる 使役受身文:歌手が指揮者に歌をうたわされる

使役受身の意味

意志動詞の場合、という意味。

可能

主体にその動作を実現する能力・属性があることを表す。

形式

動詞の辞書形+ことができる

話すことが出来る

動詞の可能形

話せる

ら抜き言葉

食べれる

れ足す言葉

走れる

可能の意味

動詞は意志動詞に限られる。

能動可能

動作主の能力による

状況可能

能力以外の状況や条件による

性質

日本の水道水は飲める

規則

未成年はお酒を飲めません

自発

ある動きや思考、感情などが行為者の意志と無関係に自然に起きることを表す

自発の形

自発の意味を持つ動詞
受身と同じ形
可能と同じ形

授受表現

物や動作の授受を表す表現。やりもらい

あげもらい動詞の変化ではなく、動詞の交替で立場の違いを表す。

物の授受(単独の動詞)

あげる くれる もらう

恩恵の授受(補助動詞)

してあげる してくれる してもらう

条件表現

複文の中で、後件の成立について前件が何らかの関係で条件となっていることを表す表現

条件

できごとを仮定的に述べる。

条件

実際に起こるできごとについて述べる。

条件

前件が成立して、順当に予想される結果になる。

条件

前件が成立しても予想する結果にならない。

順接条件

~と

「前件が起こる→後件が起こる」 という、反復的・恒常的に成り立つ関係

~ば

基本的に恒常的に成り立つ関係を表わすが、1 回のことにも使える
後件の成立が望まれているという意味が多い

~たら

・一回的な仮定と結果の関係を表わす  ~てから
・まだ起きていない前件の成立が原因となって後件 が起きる  もし

~なら

前件のことがらを仮定して後件にそれに対する
話し手の判断・命令・希望・意志などを述べる

敬語表現

話し手と相手との上下意識、親疎意識などの社会的、心理的距離に基づく言語表現

尊敬語

相手、または第三者の行為や物事、状態などについて、その人物を立てて述べる

謙譲語Ⅰ

自分から相手また第三者に向かう行為・物事について、向かう先の人物を立てて述べる

いらっしゃる

謙譲語Ⅱ

自分の行為・物事などを聞き手に対して丁重に述べる

伺う

丁寧語

聞き手に対して丁寧に述べる

~です

美化語

物事を美化して述べる

おビール

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