目次
「話す」教室活動
「話す」行為とは
聞き手と「コミュニケーション」すること
会話・スピーチ・プレゼンテーション
自分の考えや意見を相手に伝える
問い合わせする・質問する・聞き直す
知りたいことを尋ねる
話す行為のプロセス
話す行為には目的があります。私たちは、何かの目的を達成するために話しています。
プロセス1
言いたい内容を考える
プロセス2
どのように言うか考える
プロセス3
実際に言う
話す練習方法
「考える」という作業が能力につながる
絵を見て話す
二人で話す
【例】
AさんはBさんと一緒に花火に行きたいです。話してください。
<必要な情報・語彙・表現など>
立場、場所、日時、スケジュール、相手のことも考える、~ましょう、~ませんか、~さあ、行き方・交通費、待ち合わせ場所、行くときの服装や持ち物、食事はどうするか、他に人を誘うか、
<条件>:社会人の友だち同士(フランクな感じではない)
A:櫻井さん、こんにちは。
B:あっ、田中さん、こんにちは。
A:今度、横浜の花火大会に一緒に行きませんか。
B:いつですか。
A:来週の土曜日です。
B:土曜日は用事があります。何時ですか。
A:8時です。
B:8時なら大丈夫です。場所は横浜のどこですか。
A:みなとみらいです。
B:何で行きますか。
A:電車です。
B:待ち合わせの時間と場所はどこですか。
A:横浜西口交番前に、7時半でどうでしょう。
B:はい。わかりました。行きましょう。
ロールカードを見て話す
会話とは
自分の目的のために、相手との距離を縮めて、コミュニケーションをとること。
コミュニケーションの3要素
情報差
話し手と聞き手の情報のギャップを埋める
選択権
言いたいことをどのように言うかを自分で決める
反応
相手の反応を見て、目的のために話す
話す行為とは
話す行為は、言いたい内容を考え、 言いたい表現を選び、 音声に出して伝えるというプロセスをたどります。 話し手と聞き手のコミュニケーションは、目的、 情報差、 選択権、 反応、からなっています。
「会話」授業のポイント
学習者が話したい内容を学習者自身で考えること。
言いたいことをどのように言うかを学習者が選ぶこと。
お互いの情報差を埋めるやり取りをすること。
相手の反応を見ながら、自分の対応を考えること。
会話文が、目的がある会話になっていること。
話す教室活動
独話(ひとりで話す)
スピーチ、プレゼンテーション、ストーリーテリング、ショーアンドテル
対話(複数と話す)
ロールプレイ、ディスカッション、ディベート
日本語能力試験
ACTEL-OPI
CEFR
JF日本語教育スタンダード
話す力
コミュニケーション言語能力
いつ、だれに対して、どのように話すのか
文法能力
言語を文法的に正しく理解し、使用する能力
社会言語能力
言葉選びの上で、社会や文化で決まっている固有ルールを守る能力
談話能力
会話を組み立てる能力
ストラテジー能力
コミュニケーションがうまくいかなかったときに、自分や相手の発話をコントロールして修復する能力
ロールプレイで育成される能力
社会言語力
相手や場面に合わせてコミュニケーションの取り方を調整する
談話能力
自分の役割と状況に合わせ、会話をはじめ、相手とやり取りし、会話を終える
ストラテジー能力
相手とのやり取りがうまくいかなかった場合、「ストラテジー」を使う
ロールプレイの授業で大切なこと
見本となる会話を想定し、その会話の中で何を学ばせるか
ロールプレイの種類
文型先行型ロールプレイ
タスク先行型ロールプレイ
談話標識先行型ロールプレイ
ロールプレイの前に教師が準備すること
目的を決める(場面・機能)
会話を作成してみる
どのようなロールカードを配るか
動機付け、背景知識の活性化をどのようにするか
モデル会話をどのように提示するか
必要な表現や語彙をどのように教え、練習させるか
評価の観点を何にするか(評価シートはどうするか)
モデル会話
自分の普段の話し方で「テーマ」でセリフを書いてみる。
絶対に必要な部分、省略してはいけない部分はどこか分析する。
やり取りの注意ポイントはどんなことか。
学習者のレベルに合わせると、どこをどう変えるか。
学習者にどんな立場のセリフを言わせたいか。聞き取ればいい事と、言えなくてはいけないことを分ける。
学習者に何を教えたいか。
ロールカードが作成できるか。
ロールプレイのタイプ
タイプA
次に何を言うべきか指示されている
タイプB
役割や状況、目的が書いてある
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