日本語教師の学習/目的・対象別日本語教育法

目的・対象別日本語教育法

JGP:Japaniese for General Purposes

一般的な目的の日本語

一般的に行われる挨拶 日常的によく行われる会話

JSP:Japaniese for Special Purposes

特別な目的の日本語

アカデミック・ジャパニーズ

看護・介護現場で必要な日本語

ビジネス・ジャパニーズ

各現場で使われる

初級・中級・上級の違い

初級

基礎的な段階

中級

自立した段階

上級

熟達した段階

日本語能力試験

国内:公益財団法人 日本国際教育支援協会

海外:独立行政法人 国際交流基金

旧試験では「認定基準」が設けられ、習得すべき語彙や漢字の数が示されていた。新試験では、「認定の目安」が示され、「〇〇できる」(Can-do)という能力記述文で表されている。
旧試験のレベルは 4 段階であったが、新試験では5段階となっている。

認定レベル:N1 N2 N3 N4 N5

N5

基本的な日本語をある程度理解する事が出来る

N4

基本的な日本語を理解する事が出来る

N3

日常的な場面で使われる日本語をある程度理解する事が出来る

N2

日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解する事が出来る

N1

幅広い場面で使われる日本語をある程度理解する事が出来る

JF日本語教育スタンダード(国際交流基金)

相互理解のための日本語教育

コースデザイン、授業設計、評価を考えるための枠組み

JF日本語教育スタンダードはCEFRセファールの理念を基に作られた

課題遂行能力

言葉を使って具体的な課題を達成する能力

異文化理解能力

お互いの文化を理解し尊重する能力

Can-doレベル

A1 A2 B1 B2 C1 C2

A1,A2:基礎段階の言語使用者

B1,B2 :自立した言語使用者

C1,C2:熟達した言語使用者

各レベルの特徴

話題・場面

初級

日常的 個人的 具体的

中級

一般的 公的 やや抽象的

上級

非日常 専門的 抽象的

言語知識面

初級

単純な語彙 短文で短い文 挨拶のような対話で用いられる表現 基本的で単純な文字

中級

一般的な語彙 談話(文と文の関係性)の組み立て 独話で用いる表現

上級

専門的な語彙 談話(段落と段落の関係性)の組み立て 専門分野独自の表現 専門分野で必要な漢字

談話能力・社会言語能力

初級

短くて単純なやりとり 自分の伝えていことを明確に伝える

中級

文と文の関係性を考慮したやりとり 場面・相手に応じたことばづかい

上級

段落間の関係性を考慮した上での連携したやりとり 場面・相手に応じたことばづかい

各レベルの目的・目標

初級

JGP(Japanese for General Purpose) 学習者によるニーズの差がない 正確さ重視

日常生活に必要なことができるようになること

中級

JSP(Japanese for Special/Specific Purposes)学習者によるニーズの差がある 内容志向で流暢さ重視

個人差異が現れる

上級

JSP(Japanese for Special/Specific Purposes)学習者によるニーズの差がある 専門性が高くなる

個人内差異が生じる

各レベル別言語機能の指導

初級レベル

聞く

ミニマル・ペア(1か所だけ音の要素が異なる一対の語)を使い、表記と音をつなげる練習をすることから始まり、ある程度自然な速さで簡単な分野会話を聞く練習。

話す

モデル会話からフレーズや表現を学ぶことに始まり、学習者の興味・関心のある内容を話す練習をする。初級後半からはスピーチやロールプレイも取り入れる。

読む

既習語彙や既習文型を使用した短い文で、中級移行に向けて読むための準備として練習をする。

描く

モデル分の模倣や、既習文型を使ったディクテーション、短文作りなどで書く練習をする。

中級レベル

聞く

フォーマルからインフォーマルな聞き取りへと幅を広げ、語彙を増やしながら文法・表現・イントネーションを学習する。

話す

よりなめらかで自然な会話を目指す。社会生活に応じて、言葉を使い分ける。待遇表現を習得させる。ロールプレイ、スピーチ、プレゼンテーション等を積極的に行う。

読む

説明文や評論文などの主従関係が構文的にはっきりしているものを使用。初級で学んだ知識を体系的に整理し、進出語彙や表現も習得しながら、文脈の中で確実にしていく練習をする。ボトムアップ方式やトップダウン方式の読解を行い、理解を深める。

書く

既習語彙や文型を使用し短文作成、長文の要約・感想文、意見文など課題を与え「だ・である体」で書けるように練習する。

上級レベル

聞く

日常よく使われる慣用句やことわざ、オノマトペ、漢語、より専門的な語彙や表現を学ぶ。

話す

専門的かつアカデミックな内容で意味が言え、その根拠も話せる練習をする。スピーチ、ディスカッション、ディベードなどを行い、相手への待遇表現を考慮し、フィラーやターン・テイキングなど、ディスコースにも配慮した会話ができるように指導する。

読む

専門的な文章や生教材を使用し、読み取った内容を話したり書いたりする練習をする。

書く

レポートや小論文、論文をアカデミックに書ける学習をする。文体や効果的な接続詞、文章構成(序論・本論・結論・起承転結)などの形式を学ぶ。

生活者としての外国人

誰もが持っている「生活」という側面に着目して我が国において日常的な生活を営むすべての外国人をさすもの。

目的

言語・文化の相互尊重を前提としながら、「生活者としての外国人」が日本語で意思疎通を図り生活できるようになること。

やさしい日本語

普通の日本語よりも簡単で外国人にもわかりやすい日本語

優しい日本語」にするための12の規則

1.難しいことばを避け、簡単な語を使ってください。

2.1文を短くして文の構造を簡単にします。文は分かち書きにしてことばのまとまりを認識しやすくしてください。

3.災害時によく使われることば、知っておいた方がよいと思われることばはそのまま使ってください。

4.力タ力ナ・外来語はなるべく使わないでください。

5.口ーマ字は使わないでください。

6.擬態語や擬音語は使わないでください。

7.使用する漢字や、漢字の使用量に注意してください。すべての漢字にふりがなを振ってください。

8.時間や年月日を外国人にも伝わる表記にしてください。

9.動詞を名詞化したものはわかりにくいので、できるだけ動詞文にしてください。

10.あいまいな表現は避けてください。

11.二重否定の表現は避けてください 。

12.文末表現はなるべく統一するようにしてください。

出典:社会言語学研究室「やさしい日本語」研究会 ホームページ

余震⇒後から地震が来る 今朝⇒今日の朝 消防車⇒火を消す車 避難⇒逃げます

ビジネスパーソン

日本で働く外国人

高度人材

経済成長や新たな需要と雇用の創造に資することが期待される高度な能力や資質を有する外国人。

BJTビジネス日本語能力テスト

留学生

留学(日本において行う事が出来る活動内容)

2010 年に「就学生」と「留学生」の在留資格が一本化 →され「留学生」となった

日本留学試験

2002年から年に2回行われている。

アカデミック・ジャパニーズ

大学での学習・研究活動に必要な日本語力

留学生増員計画

1983年:10万人計画

2008年:30万人計画 2020年を目途に

外国人児童生徒

日本語指導が必要な児童生徒

・日本語指導が必要な外国人児童生徒

日本語指導が必要な外国籍の児童生徒の母語として、多い順に三つポルトガル語、中国語、フィリピノ語

・日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒(帰国子女も含む)

日本語指導が必要な児童生徒の義務教育

国民がその保護する子に普通教育を受けさせる義務を負う

日本語指導が必要な児童生徒に対する指導及び課題

指導方法:取り出し授業、入り込み授業、拠点校方式、センター校方式

JSLカリキュラム

日本語指導と教科指導とを総合的に捉え、学習活動に参加するための力の育成を目指す。

用語集

ミニマルペア

例えば、日本語の 「枯れ木」 [kaɾekʲi] という単語と、 「瓦礫」 [gaɾekʲi] という単語とを較べてみると、両者は語頭の子音( 「枯れ木」では [k]、「瓦礫」では [g] )だけが異なっており、日本語話者はこの違い(無声音有声音かの違い)によって意味を弁別(区別)する。

このとき [k] と [g] は弁別的対立をなしているといい、このように「ただひとつの弁別的対立によって互いに弁別される2つの単語」を指して、ミニマル・ペアと呼ぶ。 また、このようにしてミニマル・ペアを追求する考察から、「この言語においてこれら2種類の音は別々の音素(この場合は /k/ および /g/ )として記述するべきである」という知見が導かれる。

オノマトペ

擬音語は物が発するを字句で模倣したもの。同じ言語でも時代によって異なる。例えば、狂言などで犬の鳴き声は「びよ」と表現される[10]カタカナで表記されることが比較的多い(擬声語と呼ぶこともあるが現在は擬音語の方が一般的である[9]。また、擬音語の下位類の、人や動物が発する声を模した語を擬声語と呼ぶ立場もある)。 なお、擬音語と擬態語との境界は時々截然としない[11]。例えば、「ざあざあ水を浴びる」における「ざあざあ」は、身に降りかかってたてている音だとも、水が際限なく大量に降り注ぐさまを表しているともとれるため、擬音語か擬態語かは決めにくい[12]

フィラー

会話の中断を回避し、コミュニケーションをスムーズに進行させるために発する。 無音にならないように間を埋める。

えーと まあ あのー そうですねえ

ターン・テイキング

ターンが交代すること。

会話において1人が話し始めてから、次の話者が話し始めるか、ポーズ(間)で区切られるまでの会話を指す。実質的な内容を持たない相づちやフィラーは含まれない。また、ターンの順番を積極的に取る(自分のターンが来るようにする)意味でも用いられる。

 

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