睡眠時随伴症群の種類と診断基準

睡眠時随伴症群

睡眠中の行動や夢などに主な症状が認められるというものです。「ノンレム睡眠からの覚醒障害」「悪夢障害」「レム睡眠行動障害」が代表的です。

ノンレム睡眠からの覚醒障害の診断基準

基準A

睡眠からの覚醒が不完全であり、主要な睡眠時間帯の最初の3分の1で以下のいずれかの症状が繰り返し起生する。

1.睡眠時遊行症型

睡眠中に起き上って歩き回ることを繰り返す。歩き回っている際は、うつろな表情で殆ど視線が動かず、他者からのコミュニケーションにも反応が薄く、覚醒させるのが非常に困難。

2.睡眠時驚愕症型

睡眠から突然覚醒状態に移行し、その際に叫び声を上げる。強い恐怖と瞳孔拡大・心拍増加・発汗などの身体反応が生じる。この状態のときに他者が落ち着かせようと試みても反応が薄い。

基準B

夢を見ていたという認識がある場合に、その内容を殆ど想起できない。

基準C

睡眠時に遊行や驚愕があったという事を覚えていない。

基準D

各種睡眠に関する問題によって、苦痛を感じたり、日常生活・社会的活動に支障をきたしている。

基準E

各種症状は薬物などの外的要因によって引き起こされるものではない。

基準F

各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できない。

悪夢障害の診断基準

基準A

長期にわたって非常に不快な夢を見る。そしてその夢の内容は生存・安全・身体保全への脅威から逃れようとするものであり、主要な睡眠時間帯の後半に発生し、覚醒後に詳細を想起可能である。

基準B

夢を見た後に覚醒した場合、急速に現実意識を取り戻し、意識が維持される。

基準C

夢に関する問題によって、苦痛を感じたり、日常生活・社会的活動に支障をきたしている。

基準D

各種症状は薬物などの外的要因によって引き起こされるものではない。

基準E

各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できない。

レム睡眠行動障害

基準A

睡眠中に発声や複雑な運動を伴って覚醒する状態が繰り返し起こる。

基準B

問題となる行動はレム睡眠中に発生する。

基準C

問題となる行動によって覚醒した場合、周囲の状況に敏感であり、現実認識に対する混乱などは認められない。

基準D

以下のうちいずれかが当てはまる。

1.ポリソムノグラフィにより、レム睡眠時に筋緊張消失が起きていないことが確認されている。

2.パーキンソン病などの関連疾患の診断が確定していいる。

基準E

各種睡眠に関する問題によって、苦痛を感じたり、日常生活・社会的活動に支障をきたしている。

基準F

各種症状は薬物などの外的要因によって引き起こされるものではない。

基準G

各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できない。

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