薬理学と薬剤の種類と特徴
薬理学
薬の多くは、「吸収」「分布」「代謝」「排泄」という過程を通ります。このことをADMEといいます。
薬の吸収
薬は主に小腸から吸収され、血液によって体全体へ送られ効果を発揮しますが、その前に肝臓で代謝されます。経口投与の場合、飲んでから肝臓で代謝されるまでの過程を初回通過効果といいます。
吸収された薬の濃度を血中濃度といいますが、投与の仕方で推移に大きな違いがあります。経口投与では、ゆっくりと血中濃度が高まりますが、注射では急速に血中濃度が高まりますので急いで治療効果を上げるときに適しています。血中濃度で重要なことは、薬が有効に作用する濃度(有効域)が保たれることです。これが薬の有益性を最大に引き出します。
薬の分布
血中に吸収された薬は、いろいろな臓器や組織に運ばれ効果を発揮します。これは、薬が作用部位に到達した量と、そのでの体の感受性によって効きめと副作用が決まります。そして他の臓器にも何らかの影響が出ています。その薬の主作用と副作用のバランスを考慮して薬は作られています。
代謝
効力を発揮した薬は、主に肝臓の酵素によって分解されます。それが代謝です。高齢者で代謝力が低下したり、肝臓の機能低下や薬の相互作用などで変化して代謝が遅れてしまうと、思わぬ副作用を起こすことがあります。
排泄
肝。臓で代謝された薬や代謝されなかった薬は血液で運ばれ、腎臓から尿として排泄されます。腎機能が悪化していると薬が血中に残り、副作用を起こすことがあります。気体の薬剤は肺から排泄されます。
薬剤の種類と特徴
経口適用
方法
口から飲む。
種類
液剤 散剤 錠剤 カプセル剤
作用
比較的長く続く 急性の副作用が起こりません。
特徴
薬の種類によっては消化管内で分解されてしまい、体内に吸収されないものもあります。
注射適用
方法
注射をする。
種類
皮下注射 静脈内注射 筋肉内注射
作用
薬が分解されずに体内に吸収されるため、効果が確実。救急の治療に適している。効果が一番早いのは静脈内注射です。
特徴
薬の作用が急速にあらわれるため、経過観察が必要です。
外用適用
方法
体の表面に薬を付ける。
種類
軟膏 クリーム 点眼薬 座薬
作用
投与が簡単。
特徴
皮膚に軟膏やクリームなどを塗る。点眼薬やシップなどのハップ剤も同じです。
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