目次
空冷ビートル★シフトロッドブッシュ交換手順
シフトロッドブッシュ交換を苦労なく出来る「コツ」をご紹介します。
交換前のブッシュ
なんとかロッドを支えていますが、色も褐色に変色して固定リング部も砕け落ちリングは前方に移動しています。かろうじて残っているブッシュが砕けおちるのも時間の問題です。
シフター外し
前後の固定ビスを外し、シフターを外します。
カプラ―外し
後部座席を外し中央にある蓋をはずすと、シフトとミッションを連結するカプラーがあります。
各部固定ビスを外してカプラーをロッドから抜き取ります。
シフトロッドの抜取り
ロッド先端を指を使って前方へ送ります。
ハンガーなどの針金を使ってロッドを持ち上げながら、ゴムベルトなどを使って「どっこいしょ、どっこいしょ、」とロッドを前方へ送り出していきます。
先端が突き当ったら車体フレーム前方のメンテナンスホール蓋を開けます。
この車はメキシコビートル純正のクーラーホースが通っています。メキビ―でなければホースはありません。
クーラーホースが無ければもっと作業がしやすいです。
メンテナンスホールから指を突っ込んで下の方を探るとロッドの先端があるはずです。
その先端を洋服のハンガーなどの強固な針金をUの字に加工した道具を使って引っ張り上げます。
うなぎの首をつかんでいる気分・・・(#^^#)
このくらいまで引き抜いたら、ロッド後端はブッシュポジションを通過していますので、この状態でもブッシュ交換することは可能です。
この状態でブッシュ交換をする場合は、ロッド後端からブッシュ位置付近までの清掃・サビ取りをします(シフター位置の穴から車内での作業です)。こんな感じです。
シフトロッドを全部キレイにしたい場合は、フロントフードを開けメンテナンスホール蓋を2つ外し、バンパーも外してロッドを社外へ引き抜きます。
写真は、ロッドを押すときに角柱木材を使うケースのものです。
抜き取ったロッドのサビ取りと研磨を行います。今回はサンドペーパー600番~2000番とピカールで研磨しました。
ロッドは多かれ少なかれ湾曲していることが多いと思います。今回のロッドは湾曲5mm(平坦な床に置いて出来る隙間が5mm)でした。この程度の湾曲でしたら動作に大きな問題はないと思います。出来れば真っすぐにしたいのですが、このロッドは中空のパイプですので修正は無理です。
ブッシュ取付
ブッシュに取り付けるリングはかなりタイトでロッドを挿入する時に、かなりの力を要します。今回はリングを広げて径を大きくし緩めて取付を行いました。交換前のブッシュもリングが脱落した状態で長期間問題なく走行出来ていたと想定されますので、そもそもリング無しでも問題なく、ブッシュがプレートから外れることはないと思います。
リングを緩めた後
リングは焼きが入っており、加工するにもかなり硬いです。キーホルダーに使われているような柔らかいリングでしたら同じ径のリングでもロッドを挿入する時に入りやすいと思います。
リングの写真です。(左)元々付いていたリング(真中)キーホルダーのリング(右)径を広げたリング
抜き取った状態のロッドに広げたリングでブッシュを入れた写真です。
リングを広げなかったら、手の力ではこんなふうに入れられません。
いよいよ車体への新ブッシュ取付です。先ずは取り付けるプレートをきれいにします。
ブッシュ後端側をすぼめてプレートに挿入します。
シフトロッド戻し
逆の手順でロッドを戻していきます。
車体入口のメンテナンスホールに鉄アングルを挿入しておいて、それをガイドにロッドを挿入していくと入れやすいです。
予めシフター部にロッドを上方向に持ち上げる針金をセットしておくとこの後の手順がやり易いです。
ロッドが奥へ入っていきます。
ブッシュ内部にシリコングリスを塗布してロッドを挿入していきます。
この時、ロッド後端が上に上がるようにして挿入を進めていきます。
もし、後端が下がった状態で進めていくと他の配管の下に入ってしまい、ミッションに連結出来ないです。この場合はロッドを前方へ戻してやり直します。
このようにロッドが配管の上にあれば大丈夫です。
カプラー取付
ロッド後端がミッション連結部まで来たら、カプラーを取り付けます。
カプラーが劣化している場合は交換した方がいいですね。交換部品を持ち合わせていない場合は、とりあえずそのまま戻して後日交換でもいいと思います。
先ずは分解清掃とグリスアップします。
今回は劣化はしていなかったですが、片方のゴムブッシュのサイズが僅かに小さいのか、トラスト方向に遊びがあり、遊びがなくなるよう処置しました。
カプラーを取り付けて、シフターも取り付けたら完了です。
シフトロッドが「抜けない」「入らない」時の対処
長い棒(園芸用の棒など)と針金を使ってロッドと棒を連結して、引っ張ったり押したりします。
この写真は車外で連結した状態の写真です。予めどちらかに針金の輪を付けておいて、シフターの位置で連結し、車外前方から棒をクルクル回すことでロッドと棒を密着させ、引き抜いたり押し進めたりします。
まとめ
この作業のポイントは「ブッシュのリングを緩めた方がロッドを入れやすい」と「手の入らない場所の作業を針金や棒などを使う」ことです。
番外編
シフトロッドを抜き取ったり戻したりするのはちょっと大変ですね。
もしブッシュが完全に脱落してなくなっている場合は、ロッドとプレートの隙間が埋まればいいわけですから、簡易的にそこにスペーサー的なものを入れるという手段もあると思います。プレートとロッドの隙間は半径1㎜程度です。
この情報がお役に立てれば幸いです。ご覧くださり、ありがとうございました。
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