日本語教師の学習81/語彙の体系

語彙とは

「彙」の意味

仲間・あつまる・あつめる

語彙

何らかの共通点がある語の集まり

「文」と「語」の関係

統語的関係

連続して並んでいる要素間の関係、語と語を結び付ける関係。横の関係。

範列的関係

意味的制限(選択制限)を共有する、 入替可能な関係。縦の関係。

文法的に並んでいる語の1つ1つは、他の語と置き換えることが出来る。置き換え可能な語と語の関係を「範列的関係」という。

「形態・語彙・意味」の着眼点

範列的関係

語彙の体系

理解語彙 使用語彙

個人が前提

理解語彙

聞いたり読んだり受容して、 理解できる語彙

日本語母語話者(成人)の理解語彙は、 4万~5万語程度

使用語彙

話したり書いたり産出して、実際に使用できる語彙

日本語母語話者(成人)の理解語彙は、 1万語程度

周縁語彙 中心語彙

言語教育という目的からは、中心語彙を効果的に教えることが重視される

周縁語彙

専門用語、特殊な職務上の語、特定地域の方言語彙、古語、俗語、隠語といった、使用範囲が極端に狭い語彙

中心語彙

周縁語彙に対して、日常の様々な表現においてよく用いられる語彙

基本語彙 基礎語彙

基本語彙

具体的な言語資料の統計調査により、 客観的に選定された語彙。調査対象に頻繁に現れる語彙は、その分野における基本的な語彙だと捉えられる

※特定の言語

基礎語彙

必要だと思われる語を、選定者が 主観的に選定したもの。できるだけ少数の語で、広範囲のことがらを表現できるよう配慮して選定する

※特定の領域

包摂関係 上位語 下位語

包摂関係

ある語 A の意味範囲が、ある語 B の意味範囲に完全に含まれている場合、A を「下位語」、B を「上位語」と言う

全体部分関係

着物 > 袖

顔 > 口

学習者の日本語レベル

日本語能力試験(JLPT)

日本語を母語としない人を対象に日本語能力を認定する検定試験

認定の目安

出典:旧試験との比較 | 日本語能力試験とは | 日本語能力試験 JLPT

旧試験の語彙数認定基準

4級:800字

3級:1,500字

2級:6,000字

1級:10,000字

CEFR(セファール)

Common European Framework of Reference for Languages

2001 年、ヨーロッパの言語教育・学習評価の場で共有される枠組みとして発表された

JF スタンダード

CEFR の考え方に基づいて開発。JF スタンダードを用いることにより、日本語の熟達度を CEFR に準じて知ることができる。

Can-do

各レベルで、文法や語彙、漢字などの知識の量ではなく、何がどのくらいできるかを示したり、その段階で持っている言語能力を示したりしたもの。

日本語学習(使用)の目的

JGP

Japanese for General Purposes

一般日本語教育

JSP

Japanese for Specific Purposes

目的別日本語教育

語の条件

語の条件

一定の「語形」(文字ではなく、音の並び)に、一定の「意味」がそなわっていること

 

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