日本語教師の学習137/「書く」

「書く」こと

やりとり

コミュニケーションのために書く

手紙、メール、チャット、SNS

文章表現

自分の考えや意見や調べたことなどを伝えるために、長い文章で書く

作文、エッセイ、小説、レポート、報告書、ブログ

「話す」と「書く」の違い

話す

相手の反応を見ながら、途中で言い換えたり、説明を加えたりできる。

考えながら話し、途中で言い換えることも多い。話しながら考えることもある。

省略が多く、文が短い。

くだけた表現やあらたまった表現など、場面や相手によって使い分ける。

書く

書いている時、相手の反応がわからない。

考えながら書き、書きながら考えて終わりまで完成させる。何度も書き直せるが、完成後は書き直しが出来ない。

文の長さはかなり長い事もある。あらたまった表現が多く、書き言葉特有の語彙もある。

「書く」プロセス

書きたいことと、書けることのギャップが、書けない状況になる

書きたいこと

書きたい内容を考える

書けること

どのように書くか考える

字際に字にする

※日本文化知識も必要

日本語の特徴

話し言葉

丁寧体

改まった表現 「です・ます」で終わる 縮約形を使わない

普通体

くだけた表現 助詞の省略 「よ・ね」などを使う

書き言葉

丁寧体

改まった表現 手紙など

普通体

である体

くだけた表現

SNSなど

外国人にとって、日本語で文を書くということ

書きたい内容を考える

頭の中にある内容を整理

どのように書くか考える

文章を組み立てる 外国語の正しい文法と語彙で表現

実際に字にする

漢字、句読点、縦書き横書き、原稿用紙、手紙の構成など

「書く」授業の指導ポイント

初級

例文を使った練習、短文作り

制限作文アプローチ

モデル文の模倣 短文作り

ガイデッド・ライティング ガイデッド・コンポジション

例文を参考に、文を考える

中級

短作文、長文の要約、感想文、意見文など

プロセスアプローチ

書く→読み返し→フィードバック→書き直す を繰り返し、仕上げていく活動。そのプロセスを重視する。

アカデミックライティング

レポートや論文などの学術的な文章を書くことを目的とした方法

上級

レポート、小論文 文体や効果的な形式 アカデミックに書く

聴解との組み合わせ

ディクトグロス

文章復元

ディストコンポ

文のディクテーションをして、その続きを考えて書かせる

読解と聴解との組み合わせ

要約

記述の種類

「感想」と「意見」がある

感想・感情を述べる

共感を期待 (初級)

意見・思考を述べる

同意(反論)を期待 (中上級)

作文のテーマ

初級は、模倣して書くが、中級からは、創造的になる

作文が嫌いな理由

テーマに関心がない 思い浮かばない 難しい 間違いを指摘されるだけ 自分の考えを知られたくない 書いても何も変わらない

「作文」授業の注意点

作文の上手さや知識の有無をひょうかするのが目的ではない。

「何のために書くのか」を意識させる

「書く」ことで、どんな能力がつくのかを教える

「何のために書くのか」を目的を明確のし、文法や語彙を正しく書くことだけに集中しないように指導しなければいけない

「書く」授業の流れ

授業の流れ

学習目標の設定 課題・活動の設定 動機付けを考える

前作業

興味をひく動機付け マッピング・関連話題でおしゃべり 読解 聴解 等

知っていることを呼びおこす

必要な情報や言葉を確認する

⇒ 書く内容を整理し、構成を考える

本作業

下書き

どのように書けば伝えたい事が伝わるか意識する

推敲

ピアレスポンス+教師の添削 内容に焦点を当てる

清書

作業後

発表

スピーチ 文集 送る 掲示

フィードバック

学習者同士+教師

ピアレスポンスの効果

読み手

感想やアドバイスをする

批判的は読みが出来るようになる

書き手

質問に答える アドバイスを受け改善する

教師の評価ではなく、読み手を意識して書くようになる

添削のポイント

内容が目的に合っているか

情報が正しいかどうか

意見、感想が伝わるか

読み手を意識しているか

 

 

 

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