日本語教師の学習/統語型類型

統語型類型

言語類型論の一つで、言語の類型を統語的側面から分類するもの。主に主語S、述語O、動詞Vという3つの要素の配列、すなわち語順に注目して構造的な類型を考える。

「統語的類型」の基準となるS,O,Vの基本語順

S O V(40%強):日本語、韓国語、モンゴル語、トルコ語、ネパール語、等

S V O(40%弱):中国語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、等

V S O(10%未満):タガログ語、等

V O S(約3%):フィジー語、等

基本語順の違いは、「前置詞や後置詞の違い」「述語と助動詞の前後の位置」「名詞修飾における修飾節と名詞の順序など」の構造に関わっているため、日本語教育にとって重要である。

SOVかSVOの違いは、配列だけではなく、その他の語と語との配列、統語構造の違いにも関係している。

前置詞

英語の at,from,to などは、前置詞と呼ばれ、意味的な内容を表す名詞の前に付いて、文中での他の要素との構造的・意味的な関係を表すものである。

英語では前置詞は名詞の前に付く。

格助詞(後置詞)

駅で 駅から 駅に の 「で」 「から」 「に」

日本語では格助詞が名詞の後ろにに付く。

前置詞と格助詞(後置詞)の違い

前置詞は前に付くので 前置詞preposition 格助詞は後ろに付くので 後置詞postposition

統語的類型から見ると、「前置詞/後置詞」の違いは、「英語/日本語」の違いではなく、「SVO/SOV」の違いと言える。

主要部と補足部

文中の統語構造は、同じ価値のもの、対等なものが並ぶのではなく、一方が中心的でもう一方が従属的である場合が多い。

中心的なものを主要部、従属的なものを補足部という

※ 主要部と補足部の違いは意味的なものではなく、統語的な観点からなので、

例えば「to room」「部屋に」では「to」「に」が主要部となる。

なぜならば、「部屋に」は、意味的な内容は「部屋」という名詞が担うが、文中での統語的な働きには「に」が担っており、「存在」という意味を表す文では、「に」という統語構造が必要で、「部屋」は様々な名詞に置き換えられるが、「に」は他に置き換えられないからである。

主要部後行型と主要部先行型

SOVは「名詞+後置詞」=主要部後行型

SVOは「前置詞+名詞」=主要部先行型

動詞と助動詞の語順

助動詞

義務:~なければならない 否定:~ない 可能:~ことができる 推量:~かもしれない

SOVでは、助動詞は、動詞の後に位置する

SVOでは、助動詞は、動詞の前に位置する

名詞修飾

SOVは「修飾節+名詞」=主要部後行型

SVOは「名詞+修飾節」=主要部先行型

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