日本語教師の学習/形態的類型

形態的類型

形態的類型の3タイプ

膠着(こうちゃく)語タイプ:実質的な意味を持つ語の語幹に接辞がつくという構造を持ち、その切れ目がはっきりしているタイプ(日本語、韓国語、モンゴル語など)

屈折語タイプ:語そのものが変化することにによって示され、その境界がはっきりしないタイプ(ラテン語、ギリシャ語など)

孤立語タイプ:名詞や動詞、形容詞に限らず語形変化を持たないタイプ(中国語など)

膠着(こうちゃく)語

実質的な意味を持つ語の語幹に接辞が付くという構造をもち、その切れ目がはっきりしているタイプ。

代表的な言語:日本語、韓国語、モンゴル語、トルコ語

日本語の動詞の語形変化例

食べ(動詞)させ(使役)られ(受身)てい(進行)た(過去)だろう(推定)

食べ(動詞)させ(使役)られ(受身)てい(進行)た(過去)そうだ(伝聞)

食べ(動詞)させ(使役)られ(受身)ていた(進行)た(過去)だろう(推定)

特徴

それぞれの切れ目がはっきりしており、それぞれが特定の意味・機能を持ち、それぞれの配列にも規則(語順)がある。

膠着語タイプにおける「名詞」の語形変化

・名詞の語形変化は、主に「格」「数」「性」に見られる。

・「格」は、統語論の「格関係」で学んだ「主格」「目的格」「与格」などを指す。

・「数」は、「単数、複数」などの区別を指す。

・「性」は、「男性、女性、中性」などの区分を指す。

・日本語では、「格」に関する語形変化があるが、「数」と「性」については語形変化がない。

「格」に関わる日本語名詞の語形変化

例えば、学生が 学生を 学生に 学生の のように 日本語文法では 名詞+格助詞 といえる。しかし、他の言語と関りを考える言語学では、これも一種の語形変化と考える。

文中では「学生」だけの形態で現れる事が出来ず、「が/を」など何らかの形態を伴わなければならない。

日本語形容詞の語形変化

例:(大きい)⇒(副詞)大きく、(名詞)大きさ

形容詞が副詞となる場合:形容詞の語幹+く

形容詞が名詞となる場合:形容詞の語幹+さ

屈折語

語そのものが変化することによって示され、その境界線がはっきりしないタイプ

代表的な言語:ラテン語、ギリシャ語など

例:go⇒went I⇒me

形に共通性がなく、それぞれの要素に分けることも出来ない

孤立語

名詞、動詞、形容詞など全ての語が語形変化を持たないタイプ

代表的な言語:中国語、タイ語、ベトナム語など

日本語と英語の例

日本語

ボブがトムを見た トムをボブを見た ⇒ボブが ボブを のように語形変化がある

英語

Bob saw Tom. Tom saw Bob ⇒Bob Bob 語形変化がない

孤立語タイプの言語を母語とする学習者の傾向

中国語、タイ語、ベトナム語などを母国語とする学習者は、語形変化を伴う学習項目の習得に問題が見られる場合が少なくない。

具体的には、動詞の活用、動詞詞・他動詞の使い分け、文法関係に応じた助詞の選択、モダリティと呼ばれる助動詞の習得などがこれにあたる。

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