日本語教師の学習/世界と日本/世界経済

世界経済

主要地域の経済動向と構造変化(世界経済)

世界の実質経済成長率

世界の実質経済成長率(四半期)

17年以降の同時回復の背景には、貿易の拡大がある。リーマン・ショックに端を発する世界金融危機後、世界の貿易量の伸びが経済成長率を下回るいわゆる「スロー・トレード」の状態に陥っていたが、16年秋以降、貿易量の伸びが急回復した。この貿易拡大の流れは、生産や設備投資の拡大にも波及している。

OECD(経済協力開発機構)やIMF(国際通貨基金)は、17年秋時点での17年の世界経済の成長率見通しを18年春の見通しで上方改定しており、特に17年後半は17年秋時点での予測よりも力強い回復となった。世界全体の実質経済成長率をみても、17年後半に成長率が高まっていることが分かる(第2-1-2図)。以下では、現在の世界経済の回復の状況を確認していきたい。

出典:内閣府ホームページ  https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh19-01/s1_19_2_1.html#s1_19_2_1_1

世界の主要国・地域の輸出

世界の主要国・地域の輸出

(堅調な貿易・設備投資)

17年の世界経済の成長率が予測を上回るペースで回復した背景には、貿易と設備投資の回復がある。

貿易の動向を世界全体及び主要国・地域における輸出から確認すると、17年末から18年にかけて伸びが加速しており、特に中国を含む新興アジアの伸びが顕著である(第2-1-3図)。世界の貿易量の成長率は、16年の2.3%から17年には4.9%へと加速しており、IMF(2018a)は18年には5.1%へと更に勢いが増すと見込んでいる。

出典:内閣府ホームページ  https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh19-01/s1_19_2_1.html#s1_19_2_1_1

世界経済の主なリスク

(1)通商政策の動向

アメリカを始めとする国々の通商政策において、貿易制限措置が広がりつつある点に留意が必要である5。18年3月にアメリカ政府が鉄鋼・アルミニウムへの追加関税を発動して以降、複数のアメリカの貿易相手国がそれに対する対抗措置を発動又は発表している。さらに、アメリカ政府は、各国からの自動車輸入についても安全保障への影響について調査を始め、輸入制限措置を課すことを検討している。

(2)アメリカの金融政策の動向

アメリカでは、拡張的な財政政策の下で金融政策の正常化が進められている。18年1月以降、連邦法人税率の引下げを含む税制改革が実施され、連邦政府の歳出上限が引き上げられるなど、拡張的な財政スタンスがとられており、財政赤字の拡大とそれによる金利上昇圧力の高まりが見込まれる。こうした環境の下で、FRB(連邦準備制度理事会)は、バランスシートの漸進的な縮小と政策金利の引上げによる金融政策の正常化を進めており、金利が予想以上に急激に上昇した場合には、アメリカ経済、ひいては世界経済を減速させる可能性があるほか、世界的な資金フローを変え、一部新興国等で急激な資本流出を招くおそれもある。

(3)英国のEU離脱を始めとするヨーロッパにおける政策に関する不確実性

ヨーロッパでは、英国のEU離脱交渉が難航する中、交渉の事実上の期限が18年10月に迫っており、19年3月の離脱後の英国とEUの経済関係について不透明感が払拭されていない。また、18年3月のイタリア総選挙の結果、6月にはEUに懐疑的な政党による連立政権が発足し、このような政治情勢の変化が経済政策の不確実性を高める可能性がある。

(4)中国における過剰債務問題や不動産価格の動向

過剰債務問題については中国政府によるデレバレッジの取組が進められ、不動産価格についても価格抑制策が実施されている。これらにより、債務残高・GDP比はおおむね横ばいで推移しており、不動産価格も一級都市ではおおむね横ばいとなっているが、それらの水準は依然として高い。このため、過剰債務問題の深刻化や不動産価格の大幅な変動は、銀行のバランスシートの毀損や融資態度の慎重化につながる可能性も否定できない。また、中国政府がそれらの対応策として過度の金融引締めや金融規制の強化を行った場合には、景気を下押しする可能性もある。これらの問題が中国経済を減速させた場合、その影響が貿易等で結びつきの強いアジア新興国を始め世界の景気に波及する可能性がある。

(5)金融資本市場の変動等

ここで述べた様々なリスクが顕在化した場合、金融資本市場が短期間に大きく変動し、その影響が世界各国の実体経済に波及する可能性がある。18年2月及び3月には、アメリカの長期金利上昇、財政赤字拡大への懸念、米中間の貿易摩擦等を材料にアメリカ市場で株価が急落し、それが他の主要国の株式市場へも波及した10。このように金融資本市場においては、リスクがこれまで以上に強く意識されていることから、その動向を注視していく必要がある。

また、18年前半には、OPEC加盟国・非加盟国の協調減産やアメリカによるイランに対する経済制裁への警戒感等を背景に原油価格が上昇基調にあり11、原油価格の動向にも留意する必要がある。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_1.html#s1_18_2_1_2

主要地域の経済動向と構造変化(アメリカ経済)

アメリカの景気回復の長さ

アメリカの景気回復の長さ

アメリカ経済の景気回復の長さを確認すると、世界金融危機以降、約9年の長期にわたり回復が続いている。今回の景気拡張局面は、09年6月を景気の谷として、106か月を超え、過去2番目の長さに達しているとみられる2(第2-2-2表)。

出典:内閣府ホームページ  https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_2.html

全米経済研究所が景気の山・谷を設定する上で確認している指標

全米経済研究所が景気の山・谷を設定する上で確認している指標

NBER(全米経済研究所)が景気の山・谷を設定する上で確認している6つの月次指標(月次実質GDP、実質総売上、鉱工業生産指数、実質個人所得(移転所得を除く)、総週労働時間、非農業雇用者数)により最近までのアメリカ経済の動向をみると、これらの指標全てで18年入り後も増加基調を維持している(第2-2-82図)。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_2.html

ローン別家計債務残高 可処分所得比

ローン別家計債務残高 可処分所得比

家計部門の債務を詳細にみると、債務の構成比は住宅ローンが約70%と最も多く、次に学生ローン、自動車ローンと続いている。債務残高を金額ベースでみると世界金融危機時の過去最高水準を超えて推移しているが、可処分所得比でみれば12年以降ほぼ横ばいで推移している(第2-2-66図)。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_2.html

ローン別延滞率(90日以上の延滞)

ローン別延滞率

これらの延滞率をみると、住宅ローンは世界金融危機時に高水準を記録して以降、低下傾向にある。自動車ローンは危機時の水準にはいまだ達していないものの、緩やかな上昇傾向を示している。学生ローンについては、学費高騰等を背景に12年半ば以降急激に延滞率が上昇した後、11%前後でおおむね横ばいで推移している34。クレジットカードは、住宅ローン同様に金融危機時に高水準を記録して以降、低下傾向にあるが、16年頃よりおおむね横ばいで推移している(第2-2-67図)。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_2.html

主要地域の経済動向と構造変化(ヨーロッパ経済)

ユーロ圏の供給制約

ユーロ圏の実質経済成長率

ユーロ圏の実質経済成長率

ユーロ圏の実質経済成長率は、13年4~6月期以降、20四半期連続のプラスを維持し、17年は前年比2.4%となるなど、緩やかな回復が続いている。雇用情勢の改善等を背景に個人消費は堅調に推移しており、外需の持ち直しや設備投資の緩やかな増加とともに景気回復を支えている(第2-3-1図)。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_3.html

ドイツの供給制約要因

ドイツの供給制約要因

ドイツ等の一部の国では、生産の制約要因として、需要不足よりも労働力や設備・原材料の不足を挙げる企業の割合が17年後半以降、急速に高まっている(第2-3-13図(1))。加えて、製造業者に対し供給業者からの入荷時間について調査を行い、その結果を指数化した入荷遅延指数をみると、特にドイツにおいて顕著な低下(入荷遅延状況の悪化)を示している一方で、受注残高を指数化した受注残指数は高い水準となっている。これは、原材料や人手の不足等により、入荷までの時間が長期化し、受注残の積上がりが生じたためとみられる。このように、18年入り後の生産活動の鈍化は、供給面の制約が一部に影響を与えたものと考えられる8(第2-3-13図(2))。このほか、18年1~2月にドイツでストライキが行われ9、18年2月末には欧州に大寒波が襲来し、これらの要因も生産活動を一時的に抑制したとみられ、基調としては持ち直しているが、このところ一服感がみられる。

ブレグジット(EU離脱)の不透明感

英国・ユーロ圏の設備投資

設備投資は、18年1~3月期に前期比-0.4%となるなど17年半ばごろから横ばいで推移している(第2-3-43図)。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_3.html

英国の消費者マインド

英国の消費者マインド

消費者マインドは、17年末頃から持ち直しの動きもみられるものの、EU離脱交渉に係る不透明感が継続していることなどから、いまだマイナス圏内での推移が続いている(第2-3-38図)。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_3.html

主要地域の経済動向と構造変化(アジア経済)

製造業の発展と生産年齢人口の減少

製造業付加価値額

製造業付加価値額

中国は、特に2000年代以降、安価な労働力を背景に世界の工場として成長してきた。製造業の付加価値額(名目、ドルベース)は、10年にアメリカを抜くまでに拡大している(第2-4-28図)。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_4.html

年齢階層別人口の推移

年齢階層別人口の推移

近年、人件費の上昇や生産年齢人口の減少に直面しており、生産の効率化・省力化が求められる状況にある(第2-4-29図、第2-4-30図)。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_4.html

産業用ロボットの導入

ロボット密度

中国の全般的な労働生産性向上のために、重要と考えられるのがロボット産業である。ロボット産業については、16年に個別の行動計画として公表された「ロボット産業発展計画」において、20年までにロボット密度(雇用者1万人に対するロボット数)を150台とすることなどが目標として掲げられている。国際ロボティクス連盟(IFR:International Federation of Robotics)によれば、中国におけるロボット密度は16年時点で68台と目標の半分以下であり、国際的にみても世界平均の74台を下回っている(第2-4-32図)。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_4.html

中国向け産業用ロボット出荷台数

中国への産業用ロボットの出荷台数は、10年の約1.5万台から17年には約11.5万台(実績見込み)と世界の出荷台数の約3割を占めるに至っており、目標達成に向け急速な導入が進められている(第2-4-33図、第2-4-34図)。

出典:内閣府ホームページ https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_4.html

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